■高速車では必須!
貸切バスと高速バスはシートベルト着用義務がある。2008年に改定された道路交通法により、乗用車やタクシー、バスなどあらゆる車両を対象に、全ての座席でシートベルト着用が義務化された。さらに2016年には「道路運送車両の保安基準」が改定され、今までは設置の規定がなかった高速バス等の補助席にもシートベルトの設置が義務付けられた。
これらに乗車する際には高速道路・一般道に関わらずシートベルト着用が必要だ。国土交通省がまとめた交通事故統計のデータによると、シートベルトを着用しない場合の致死率は高速道路で約9倍、一般道を含めると約14倍で、シートベルトが重要視されている。
違反しても乗客に罰則はないが、バス事業者が行政処分を受けることもあるので、案内放送や運転士の指示に従いシートベルト着用を遵守してほしい。
■降車後はバスから離れる!
次はバスを降りる手順だ。降車したいバス停名が案内されたら降車ボタンを押して知らせる。前乗り均一運賃の場合は支払い済みなので中ドアから降りればいいが、前降り後払いの場合は運賃表で確認する。運賃の支払いはICカード、クレジットカードやコード決済によるもの等種類が多い。現金の場合は整理券番号に従い運賃を投入する。
一部のお釣りが出る運賃箱を設置した事業者以外ではお釣りのないよう両替等をして投入する。両替はバスの停車中に行うことが重要だ。降車したらバスの前後は横切らない。バスの直前直後の人は運転席からは見えない。
また停車しているバスの横を走る車からは、バスの前後から人が飛び出してきたらどうなるかは想像できるだろう。バスを降りたら歩道を歩くか、バスが発車した後に動くのが安全だ。
■バス停にいるバスには近寄らないで!
バス停にいるバスを追い抜く自動車に注意喚起だ。バスの先に行きたいという気持ちは理解する。無理に追い越す自動車があるが本当は交通違反である。 道路交通法では原則として進路を変更しようとする車より、変更後の進路を進行してくる車の方が優先とされているが、バスだけは別だ。
バス停で乗客を乗降させている路線バスは同法第31条の2において「停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない」とされている。
路線バスの発進の保護には、公共交通機関の円滑な運行を確保するだけでなく、路線バスの乗客を守る意味もある。万が一発進した路線バスと接触事故を起こすと乗客に迷惑をかけるだけでなく、車内で乗客が転倒してケガをしてしまう可能性もある。
令和7年7月23日に京都市上京区の市道上で市営バスが走行中、急ブレーキをかけ、車内で転倒した乗客が骨折の重傷を負う事故が発生した。バスのドラレコには歩道から飛び出してきた自転車がバスに接触しそうになる様子が写っていた。
警察は当該自転車に対して、ひき逃げの道路交通法違反の嫌疑で捜査が行われている。接触事故ではなくても負傷した乗客がいれば自転車に過失がある。バスが合図をした場合には追い越しをせず、発車を待つようにしたい。
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