現金以外の収受対応が大きなエポックとなる
「現金のみを扱っていたMS-5000型から、磁気カードを搭載することになった技術革新はまさにエポックでした。現金以外の方法で運賃収受を可能にしたことにより、客先の利便性が格段に向上し、運転士の運賃確認時の負担軽減につなげることもできました」(レシップ株式会社 生産本部 組込システムソリューション部 部長 宮澤一次氏)とのこと。
技術革新はバスのハンドルを握る運転士への負担を軽くしたいという視点でも進められたとのこと。
●ICカードリーダ/ライタ
「当時の車内放送は8トラックのテープでした。このほか運行記録用のタコグラフに装着するチャート紙や運賃箱の金庫、そして運賃収受データ記録用のメモリーカードが加わり、運転士さんが出庫する時は両手いっぱいに荷物を持ってバスに向かうことになりました。この荷物を減らそうということもあり、金庫に収受データを記録できるようにしました」(大野氏)。
いまでは車内放送はテープから音声合成システムへ、タコグラフはデジタル化されており、運行のために車内へ持ち込まなければならないものを含む手荷物はかなり軽減されている。
●操作性が著しく向上したLFZ-C型のディスプレイ
一時期は、特別色や形状など見た目だけでなく、専用機能の付加などをオーダーする、こだわりを持つバス事業者も目立っていたが、いまは収束傾向とのこと。ICカードの普及で金庫が小型化したこともあり、現行運賃箱は歴代モデルに比べてスリムになっている。