夏休みが最も多いのだろうが、冬休みや春休みもまた運転免許取得シーズンだ。最近は自動車離れが著しいといわれるが、地方ではそうも言っておれない事情もある。学生さんならばサクッと合宿でという方も多いだろう。そんな合宿免許事情を取材したので、大型二種に限らず普通免許取得予定の方も参考にしていただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
取材協力:信州駒ケ根自動車学校
自動車の免許は合宿の方が取りやすい?
よく言われるのは「合宿免許だと短時間で取得させなければならないので甘いんじゃないの?」という都市伝説だが回答は否だ。公安委員会指定教習所では定められた教習を修了し、卒業検定に合格しなければ技能試験免除で運転免許を取得することはできない。
これは普通免許でも大型二種免許でも同様だ。記者が運転免許を取得したときの卒業検定では教習所の検定員の他に公安委員会の担当官が同乗し、検定員と同様に採点され結果を突き合わせていた。要するに検定員も定期的に公安委員会から採点についてチェックされているのだ。
ただし、合宿の場合は効率よく短期間で教習を終えることができるように、1日当たりに許された最大の技能教習時限を確保しているので、予約をする必要なく必ず最大時限を乗れるので、運転に慣れやすく忘れる間もないので、その点において有利だろうことは想像に難くない。
ただし、学科については効果測定(所定回数を合格点に達しなければならない模擬試験)や仮免許を取得するための学科試験は教習と自習で自力合格しなければならない。
よって意外にもここで引っかかる人は多いという。特に二種免許の学科試験合格率は低く、合格基準は100点満点中90点なので、合宿での空き時間は主に学科の復習に充てることになる。
合宿に行く交通機関にもサービスがある
合宿免許は概ね地方の教習所で行われることが多い。都市部の教習所は周辺人口が多いことと、宿舎を建造するスペースや受け入れ態勢の問題があり、たいていは地方の教習所が受け入れているのが現状だ。その際に問題になるのは地方の教習所まで行く交通手段だ。
記者が取材した信州駒ケ根自動車学校の場合は、東京都在住の場合には教習に必要な書類一式や案内書とともに、新宿からの高速バスのWEB乗車券予約確認書が同封された封筒が届いた。
往復の交通がセットになっており、さほど心配する必要はないようだ。大型二種を取得しようとする場合は、教習前にプロの運転を見ることができる最後の機会なので寝ている暇はない。
ほかにも鉄道の交通費が支給されたり、自動車で向かう場合にはガソリン代を補助してくれる教習所も多いので、事前にチェックしてサービスはしっかりと利用したい。