出発はもちろん到着時間まで分刻みで決められているバス。とくに路線バスは、時刻表を守ることは当たり前と認識されている。我々ユーザーにとってはありがたい話だが、もし運転手さんが運航中に突然の腹痛に襲われ、おトイレに行きたくなったらどうするのか?
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(画像はすべてイメージです)
まずはこんな事例がありました
記者が遭遇した事例を紹介しよう。中距離の都市間高速バス昼行便なので途中停留所が多くある路線だったが、高速本線上バスストップでもPAやSAのバスストップでもないPAにバスが入っていったことがある。
おかしいなとは思ったがスピードを落として大型車駐車スペースに入っていくので、間違って入ってしまったのではなく意図して止まるんだというのはすぐにわかった。
その際に運転士がマイクで「どうしてもトイレが我慢できなくなったので申し訳ないがちょっとトイレに行かせてもらうので待ったほしい」旨のアナウンスがあった。
乗客は何も言わずに運転士が戻ってくるのを待っていたが、ほどなくして「すいません、すいません」と乗客に謝りながらバスは何事もなく発車した。こういうこともあるんだと思いながら乗車したことがある。
こればかりは仕方がないでしょう!!
路線バス(高速路線バスを含めて)は、ルートもダイヤも決められているので、途中で意図せずにトイレのために停車するとダイヤ通りには走れない。そうならないように運転士は体調の管理には気を遣う。とはいえ、運転士も人間なので生理現象でトイレに行きたくなることもあるし、腹痛でトイレに駆け込まなければならなくなることもある。
こうした事態が起きた場合の行動は、バス事業者で決められていることがほとんどだ。たいていは乗客に断ったうえでPAやSAに入りトイレを済ませることになっているので広い心で乗車してほしい。
ある程度の距離の高速バスだと乗客には車内にトイレが用意されているが、運転中の運転士は当然だがそれを利用することはできないので、こればかりは仕方がない。
一般路線バスの場合はどうする?
では一般路を走る路線バスの場合はどうするのだろうか。これも事業者により異なるが、路線上のトイレのある場所はあらかじめ運転士には知らされている場合が多い。公共の場所であれば公園のトイレなどだ。
ほかにはコンビニやビルなどの施設もあらかじめバス事業者では調査し、各所へお願い事項として話は通っていて、滅多にないことだがまさかの時はそこに駆け込む。これも基本的には停留所に停車していくことになっていることがほとんどだが、それでも我慢できないときは路駐してでも行くことになる。
緊急事態なので仕方がないし、逆に無理な我慢をして安全な運行ができないよりは、トイレに行ってもらったほうがいいに決まっているので、こうした事態に遭遇した場合には温かく広い心でドライバーを見送り、そして迎えていただきたい。
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