路線バスのみにあって観光バスや送迎バスやは幼稚園バスにもにもないものといえば、いくつあげることができるだろうか。運賃箱や運賃表、方向幕や降車ボタンや整理券箱だろうか。本稿では降車ボタンについて路線バス運転士に聞いてみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】路線バスの「降車ボタン」はいつ押されるのがうれしいのか?バス運転士に聞いてみた!(8枚)画像ギャラリー降車ボタンはいつ押されるのがうれしい?
乗客にとっては押せば停車してくれる降車ボタンだが、運転士にとってはいつ押されるかわからないシロモノだ。記者は大型二種免許を持っているが、路線バスの運転士をしたことはない。そこで路線バス運転士に「降車ボタンはいつ押されるのがうれしいか」について聞いてみた。
「運転士個人によっても異なるでしょうが、私の場合は降車停留所がすでに分かっているのであれば『発車してすぐ』がうれしいですね」とのことだった。
もちろん停留所が分からなければ放送や車内ディスプレイに表示されてからでも構わないものの、前の停留所を発車してなるべく早い機会にというのがいいようだ。
ワンマンバスの運転士はやることがとにかく多い。他の交通が不規則に行き交う道路を安全に運転することに集中しなければならないのは言うまでもないが、発車の際には車内転倒事故防止にも気を遣う。発車後は次の停留所案内のために放送を流す操作をし、降車ボタンが押されれば停車の確認をする。
この際の停車の確認とは何を操作をするわけではないが、心理的に「降車する人がいる」という心づもりが早い段階でできることで余裕が生まれる。もちろんダイヤも確認しながら運転する。
停留所にバスを付けてからもやることは多い
停留所が近づけばバスを左に寄せてバス停に付ける。都市部ではガードレールがあるので停止位置がずれると乗降がしにくくなる。さらに減速から停車寸前に至るまでがまた車内転倒事故が起きやすく、事前に停止してからの離席を促す放送を流すこともある。
均一運賃制の場合は降車ドアは開ければ終わりだが、前ドアからは乗車があるので運賃を確認したり、各種乗車券を発券したりICカードにチャージしたりする運賃箱の操作が必要になる。乗降は終わればすべてのドアを閉め、バス周囲の安全を確認し発車操作に移る。