ひとつのバス事業者を掘り下げて紹介する、バスマガジンの名物コーナー、バス会社潜入レポート。今回は2018年に遡って、3月発売号で掲載した、近鉄バス編を振り返って紹介する。
近鉄バスは、近畿日本鉄道から乗合バス、近鉄観光バスから貸切バスを継承して営業する近鉄グループのバス事業者である。
一般路線バスは近鉄電車沿線の中河内・南河内と京都市南部および北摂地域で営業。関西国際空港・大阪空港に乗り入れるリムジンバス、北は仙台・山形、南は熊本・宮崎に至る都市間高速バスも運行している。
(記事の内容は、2018年3月現在のものです)
構成・執筆・写真/加藤佳一(B.J.エディターズ)
※2018年3月発売《バスマガジンVol.88》『おじゃまします! バス会社潜入レポート』より(part1)
■大阪と京都に計9つの営業所 一般路線は鉄道を南北に縦断
●近鉄八尾駅
近鉄バスは近鉄グループホールディングスの傘下にあり、奈良交通などとともに近鉄バスホールディングスの子会社となっている。
東大阪市に本社を置き、布施、稲田、枚岡(ひらおか)、鳥飼(とりがい)、八尾(やお)、松原、京都の7営業所で乗合バスを運行。洛西営業所で京都市営バスの受託運行を行っている。
また貸切バスは布施観光営業所に集約されている。乗合バス免許キロ約6493km、従業員数約900人である。
一般路線の中心は中河内・南河内地域で、東西方向に走る近鉄奈良・大阪・南大阪線、JR学研都市・大和路線の各駅と住宅地・病院・大学などを結び、主に南北方向に延びている。沿線では1960年代から宅地開発が進められ人口密度は高いものの、道路整備が遅れており狭隘路が少なくない。
●竹田駅東口
かつて鉄道線に並行して梅田、上本町、あべの橋、京都に乗り入れていた路線は、環境変化に伴う利用者の減少で2000年代に廃止されたが、あべのハルカスがオープンした13年には、近鉄バスの長年の悲願でもあった上本町~あべの橋間を結ぶ路線が開業した。
さらに14年には定期観光路線として、オープントップのダブルデッカーを使用した「OSAKA SKY VISTA」を運行開始。JR大阪駅を起終点として、現在は北ルート・南ルート各2便(繁忙期は各4便)を営業中である。
近鉄電車から離れた北摂地域の路線は、60年代に茨木バスから譲渡されたもの。JR茨木駅・阪急茨木市駅を起終点として、鉄道線から離れた住宅地を結んでいる。
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