「コミュニティバス」を名乗る公共交通機関が各地で運行している。路線バスのように見えるものの、運賃は安いしナニかちょっとちがう。実際のところ何が違うのだろうか?
文・写真:中山修一
白黒なら……つきません!!
公共交通機関なら法律で細かく決められているのが相場だ。例に漏れずコミュニティバスもそうかと思いきや、法的に「このお約束に則ればコミュニティバス」となる定義は意外にも存在しない。
とどのつまり路線バスもコミュニティバスも一緒なわけだ。
とはいえ、コミュニティバスが一般路線バスと異なる性質を持っているのは確かで、少なからず法則性があるように思える。
まず、バス事業者ではなく地方自治体が運営しているバスをコミュニティバスと呼ぶ傾向が強い。この場合、鉄道や一般路線バスが運行できない地域や場所に、最低限の足を確保するための対策という位置付けだ。
最寄りの鉄道駅、病院、学校、公共施設などへのアクセスを主な目的とするほか、町の中を巡回して近隣のスーパーなどへの買い物にも使えるコミュニティバスが運行されている場所も見られる。
基本的には地元住民向けのサービスとなっているが、決して住民専用ではなく誰でも乗車できる。
どちらかと言えば、直営よりも一般バス事業者に運行を委託してコミュニティバスを走らせる自治体が多いようだ。
最大の違いは運賃……なのか!?
次に、一般路線バスと大きく異なる要素が運賃だ。どのコミュニティバスも、一般路線バスに比べると運賃が低めに設定されている。
普通の路線バスのように、距離に応じて運賃が上がる路線も存在するが、距離に関わらず「一回いくら」のコミュニティバスは総じて安価な印象で、100〜200円が相場だ。
自治体が運行費を負担しているため、通常の商業バス路線ほど収益性が重要視されない点が安さのヒミツと言える。まず利用してもらわないと話が始まらないため、気軽に利用できる運賃に抑える必要もあるわけだ。
中には運賃を取らない「無料」のコミュニティバスも運行されている。
乗り方はほぼ同じなのだけれども……
コミュニティバスも路線バスも、乗り降りの仕方はほぼ同じ要領。コミュニティバスの路線にも普通のバス停が置かれている。フリー乗降を実施している路線を除き、バス停で乗ってバス停で降りるのも一緒だ。
人口が少ない地域でのコミュニティバスとなると少しお作法が変わる。利用者の数を秤にかけると、毎日決まった時間に必ずバスを走らせるにはコストがかかる関係から、デマンド方式を採っている場合があるのだ。
デマンド方式では、思い付きでフラリとバス停に行ってもバスは来ない/来ても停車しないので、事前の予約が必須である。大抵は利用する前日が予約締切となっている。
低運賃で利用でき、痒いところに手が届く場所を通る路線も多々見つかるコミュニティバス。そこにバスがあるならば、訪れる先々で活用したいものだ。
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