西東京バスにとって2番目の夜行バス[トレンディ号]!! 新型の日野セレガは誇らしげに出発した!!

西東京バスにとって2番目の夜行バス[トレンディ号]!! 新型の日野セレガは誇らしげに出発した!!

 近鉄夜行路線はそのほとんどの愛称がカタカナだが、まだ言葉も満足にしゃべれないような2歳児に、「トレンディ?」と語りかけると『トレンディ』と答えてくれた時代。まだカタコト言葉の子供にもハッキリ言える名前の、1990年11月9日開業したバスだ。

●トレンディ号(八王子〜大阪)
トレンディ号(西東京バス/相手会社:近畿日本鉄道)
乗車日:1993年2月、2000年6月

(記事の内容は、2021年11月現在のものです)
文・写真/石川正臣
※2021年11月発売《バスマガジンvol.111》『思い出の長距離バス』より

■若者でごった返していた街・京王八王子駅を発着するバス

西東京バス初の日野セレガで運用された『トレンディ号』
西東京バス初の日野セレガで運用された『トレンディ号』

 かつて一世を風靡した言葉「トレンディ」。「大阪までバスで行ってきた。たこ焼き食べただけですぐ帰ってきた」『それだけで大阪へ?、それってトレンディ!?』。ちょっと服装をかえてみても……。OLや女子大生など、このころ何を言ってもトレンディの言葉が返ってきた。

 一世を風靡した言葉に等しく、トレンディの名はあまり期間経過しないうちに聞かれなくなり、その後も残ったワードはトレンディドラマ。3カ月ごとに新番組となり、見ているドラマの対話は広がったものだった。

 近鉄にとっては11番目の夜行路線、対する西東京バスは京都便に次ぐ2番目の夜行路線。両社ともに夜行路線は日野車で統一されていて、両社とも初のモデルチェンジを受けたセレガで登場。関係者も鼻高々で、「他社でこのセレガを導入されているところありますか」と質問されたほど。

相手会社、近鉄のトレンディ号
相手会社、近鉄のトレンディ号

 乗務員も乗客も、最新のセレガに乗れることがとにかくうれしく、鼻高々だった。

 八王子は若者が多く、大学の移転も首都圏では著しく、東京で人気のグルメの店の、のれん分けされた支店も八王子店が多かった。それも理由のひとつとしてか、八王子、大阪便はこの路線名となった。

 若者でごった返す京王八王子駅でのトレンディ号は、京王グループの西東京バスが大阪へ向けて待機していた。発車するとすぐに中央高速入りし、神奈川県に入る。まもなく山梨県となり、東京が遠ざかっていく。

 関西を目指す大動脈として中央高速は、東名高速よりも夜中でもトラックは少なく、どこかサッパリしたナイトラン、しかし東名よりも道幅が狭く、カーブも起伏も多く大型ドライバーにはストレスを感じるかもしれない。

 バスは関西圏の草津に入ると、同じ近鉄高速の横浜発、新宿発もそれぞれの相手会社の車両を確認。

その後西東京バスから多摩バスに一時期運行されたこともあった
その後西東京バスから多摩バスに一時期運行されたこともあった

 埼玉発は“裏交番”で近鉄車両だった。大阪に入ると上本町、そして阿倍野橋に停車。しかしUSJ延伸時にはこれらの停留所には立ち寄らなくなった。

 現在は線再編成により、新宿便ツインクル号がグループ会社で西東京バスが運行となり、八王子便と合併。トレンディの名は消滅した。

 しかしツインクル号になった後の西東京バスは新宿発となり、京王八王子駅もJR八王子駅にも、関西側は京都、大阪梅田と乗務対応には気遣いが必要となった。二大都市の中心地を結ぶドル箱路線として、今後の発展にも期待したい。

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