バスを逃すとその場でアウト!? フェリーターミナルへはバスで行け!! 〜北海道編2〜

バスを逃すとその場でアウト!? フェリーターミナルへはバスで行け!! 〜北海道編2〜

 中・長距離カーフェリーの乗り場は市街地から離れた場所にあるのが一般的だ。そこへアクセス可能な路線バスの実態は?! 北海道の苫小牧西港・苫小牧東港の場合を見てみよう。

文・写真:中山修一

(3)苫小牧西港

苫小牧西港は北海道〜本州を結ぶ太平洋航路の窓口だ
苫小牧西港は北海道〜本州を結ぶ太平洋航路の窓口だ

 本州方面からの北海道を代表する玄関口を3つ挙げるとすれば、鉄路が新函館北斗駅、空路は新千歳空港、そして海路なら苫小牧西港だ。

 フルネームで呼ぶと「苫小牧西港フェリーターミナル」になるこの港には、太平洋回りの中・長距離カーフェリーが集まる。船会社3社が、それぞれ名古屋/仙台航路、大洗航路、八戸航路を運航している。

 基本ダイヤに則ったフェリーの入出港を見ると、名古屋/仙台が1日計2回、大洗が4回、比較的距離の短い八戸が最も多い8回だ。

 フェリーターミナルの最寄りはJR苫小牧駅。駅から約4.5kmほど離れた場所にあり、冬場や悪天候の日を除き、かつ大きな荷物を持っていなければ歩いても行ける。しかし4kmを超えると歩きでは少し遠く感じるのは確かであるゆえ、普通に考えればやはりバスの力に頼るのが適当だろう。

 出入りする船会社の数と合計の発着回数では道内最大級を誇る一大旅客ターミナルなだけに、苫小牧駅からの一般路線バスのほか札幌発の高速バスも設定されており、感覚的には空港並の手厚さだ。

 苫小牧西港でもフェリーの発着時間に合わせてバスのダイヤが組まれている。苫小牧駅から(へ)向かう際は、道南バスによるフェリー線 苫小牧駅前〜市役所前〜フェリーターミナル(西港)行きを利用する。

 駅からフェリーターミナルへ向かうバス便は1日3本で、出発するフェリーに連絡可能なものは8:57着(9:30発八戸行き・かなりタイト)と16:52着(18:45発大洗行きと19:00発仙台/名古屋行き)の2本だ。

西港ターミナルビルを出てすぐ脇にバス停が置かれている
西港ターミナルビルを出てすぐ脇にバス停が置かれている

 フェリーを下船して駅まで向かう場合、苫小牧西港11:00着の名古屋/仙台航路、6:00着と16:00着の八戸航路にフェリー線のバスが対応している。当該バスの出発時刻は6:30、11:30、17:05だ。

 道南バスフェリー線の苫小牧駅前までの所要時間は約17分、運賃は250円となっている。一方の札幌〜苫小牧西港を結ぶ高速バスでは、北海道中央バスが「高速とまこまい」号を運行している。

 全部で5本が札幌からフェリーターミナルまで向かい、いずれも夕方〜深夜にかけて苫小牧西港を出発するフェリーに間に合うダイヤ設定だ。

 西港に到着後、最短54分〜1時間54分の待ち時間が生じる。徒歩利用でも60分くらい前までに乗船手続きを済ませておくのが推奨されているので、長く待たされるように見えて実は程よい。

 札幌行きは11:46発、13:56発、16:46発の3本。11:00着の名古屋/仙台航路、13:30着の大洗航路、16:00着の八戸航路に対応している。

 苫小牧西港から札幌駅周辺まで約77km。純粋なアクセス用途というよりも、その正体はフェリーターミナルにも立ち寄る本格的な都市間高速バスだったりする。

 「高速とまこまい」号の所要時間は約2時間で運賃1,450円。かかる時間は苫小牧を経由して電車で行くのと大差ないが、寄り道せずに札幌〜西港を移動するなら高速バスのほうが480円安い。

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