■右出しが多かったのは人への気配り
昔のバスを含めた大型車の排気管が右出しだった良く知られる理由に、左側通行の場合、左出しだと排気ガスを歩行者に直接浴びせてしまうかもしれないため、というものがある。
排気管の出口を右側に持って来れば、ガス直撃の悲劇は少なからず避けられる。歩行者に対する気配りの意味合いが強かったようだ。
ただし全部の大型車が右出しだったわけではなく、昔のバス車両にも左出しは存在する。もっとも年代が極端に古くなると、単に設計上そうなっただけで、歩行者等々まで考慮していなかった可能性も考えられるが…。
いずれにせよ、大昔のようにディーゼル=黒煙を撒き散らすような図式は消えて久しく、排気ガスのクリーン化も進み、最近は排気管の出口をどこに置いても問題なくなったのだろう。バスの場合、現状では左出しがトレンドになっているわけだ。
また、珍しい例として、都営バスが一部区間で輸入車(スカニア/ボルグレン製)を使用したフルフラットバスを運行しているが、この路線車は後ろの左上に排気管の出口がある。
■主張しない美観
普通乗用車の排気管には、騒音を抑えたり有害物質を除去したりするほか、後部の見た目を良くする役割も多少含んでいる。
装飾を施したパーツを排気管の出口と組み合わせてドレスアップを図った車種が並ぶ普通乗用車に対し、バスは実情重視ということで、大体どれも「タダの管」みたいな感じだ。
現在新車で購入可能な中型・大型路線車になると、どのメーカーの車両も排気管が外から見えない(見えにくい)デザインになっている。
装飾の意図をほとんど持たないバスの排気管なら、隠してしまうのも美観を向上させる一つの手段と言えそうだ。
【画像ギャラリー】昔は右、今は左な路線バスの排気管(8枚)画像ギャラリー
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