路線バスに山ほど付いている「取っ手」や「グリップ」の存在意義が深すぎた!!

■取っ手というより金具?

 上記の取っ手類だけでなく、銀色のやや小さい取っ手状の部品を、車両の前面に何個か取り付けているパターンもある。さすがに手で掴むにはちょっと小さすぎるように思える。

 路線バスが、フロントガラス下部分に交通安全の啓蒙やスローガンなどを記した、「バスマスク」とも呼ばれる、布製の告知幕を掲げて走っている光景を時々目にする。

 走行中に幕が飛んでいかないよう、幕を紐で車体に結んでおく方法が一般的だ。そういった告知幕の紐を通す、あるいはゴムバンドなどにつなげたS字フックを引っ掛けておくための金具として、銀色の小さめな取っ手状の部品がよく使われる。

四隅の金具にS字フックを引っ掛け、ゴムバンドで告知幕を吊り広げている
四隅の金具にS字フックを引っ掛け、ゴムバンドで告知幕を吊り広げている

■“役立たず”であるのがベスト

 再び車内に注目すると、車種によっては右側最後部座席ひとつ前の二人掛けシートと窓の間に一つ、縦方向に取っ手がひっそり取り付けられている。

 そのままでは掴めない位置にあり、何故そんな役に立たない場所に取っ手を付けているのか……カラクリは簡単、右最後部の一つ前が非常口なのだ。

非常口のシークレットな取っ手
非常口のシークレットな取っ手

 万が一非常口を使うことになってしまった時に、扉を開くためのハンドル代わり、あるいは非常口から外に出る際に掴むための取っ手というわけだ。数あるバスの取っ手の中で、最も役に立ってはいけない存在と言える。

 路線バスの取っ手を少し掘り下げてみれば、闇雲に付いているのではなく、ちゃんと何らかの役割を持っているとわかった。

【画像ギャラリー】取っ手はバスのどこに付いている?(9枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。