ブレーキだけじゃダメですか? バスがタイヤに「くさび」を噛ませるワケが深すぎる!!

■どんな場面で使われる?

 人を乗せて運ぶバスとなれば安全確保は尚更で、手歯止めの使用を徹底しているバス事業者がほとんどだ。標準装備に近く、基本的には1台につき2個の手歯止めを車内に積んでいる。

 2個の手歯止めは大抵、タイガーロープやプラスチックの鎖で繋いである。これはバラバラにしておくと紛失しやすくなるための対策と見られる。よく目立つ黄色が主流のようだが、木目が剥き出しの手歯止めを使用しているところもある。

 2個とも前輪左タイヤ下の接地面の両側を挟むようにして手歯止めを置くのが基本で、右タイヤや後輪には殆ど使わない。状況に応じて左タイヤの片側に手歯止めを2個並べて置くのも活用例の一つだ。

 使用するタイミングとしては、まずバスターミナルなどの待機レーンにエンジンを切って停車している間が挙げられる。そのほか営業運転中の折り返しの合間に手歯止めをかけることが多い。

 いずれの場合も、乗務員が車両から離れるアクションが含まれると、ほぼ確実に手歯止めの出番と考えて良い。

 停車させる位置によっては、もし転動しても歩道側に車両が行かないよう、タイヤを右方向に曲げた状態のまま、手歯止めをタイヤに噛ませる合わせ技も見られる。

タイヤを曲げた状態で手歯止めを挟んでいる
タイヤを曲げた状態で手歯止めを挟んでいる

 バスの手歯止めは、安全に安全を重ねている事業者の姿勢を表す証とも言える、縁の下の力持ち的存在だ。

【画像ギャラリー】黄色いブロックは停車中のワンポイント!!(6枚)画像ギャラリー

最新号

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

バスマガジン Vol.129は6月23日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、会津乗合自動車を特集。同社は福島県の約4割の面積を占める会津地方を営業区域とし、路線は会津盆地の若松・坂下・喜多方を拠点に、平野部の住宅地域から中山間地域へ広がるほか、東部の猪苗代・郡山湖南地区と南部の田島地区にも路線を有している。