最長が“最速”とは限らない!?  一般路線バス平均時速グランプリ!!

最長が“最速”とは限らない!?  一般路線バス平均時速グランプリ!!

 一回の走行距離が日本最長の一般路線バスを、別の条件下でランク付けした場合、やはり“最○○”のポジションをキープし続けるのか……こんなちょっとした疑問を解消するため、平均速度で競ってみた。

文・写真:中山修一
(現地取材時の詳細写真ギャラリーを含む写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■もはや不動の地位に君臨!? 奈良交通の路線バス

日本最長の誉れ高い、奈良交通八木新宮線
日本最長の誉れ高い、奈良交通八木新宮線

 2024年1月現在、最長距離を走る一般路線バスといえば、奈良県の大和八木駅と和歌山県の新宮駅を結ぶ、毎度おなじみ奈良交通の301・302系統「八木新宮線」だ。

 走行距離がおよそ169.8kmあり、高速道路を走らず、途中で運行系統が変わらない路線バスとしては、日本全国どこを探しても対抗できる相手がいない、日本一の座に就いている。

 全区間の所要時間は6時間46分と、こちらも恐らく最長と思われる。では、ちょっと条件を変えて、足の速さ・平均速度で見ても首位の牙城を守れるだろうか。

 平均速度は<移動距離÷かかった時間>で求められる。渋滞など不可抗力による遅延は考えないとして、八木新宮線のスペックを当てはめると、169.8÷6.7667≒25.1。 足の速さは平均値でおよそ25.1km/hになる。

■31路線でレース開始!!

 問題は対戦相手の路線バスをどうするかだ。日本全国25,000以上あると言われる、全ての路線をぶつけるわけには行かないので、2023年に『バスマガジンWeb』の乗りバス系の話で紹介した中から、素性の確認が取れている31路線をピックアップした。内訳は以下の通り。

【北海道】
(01)ジェイアール北海道バス 日勝線 静内→様似 74.1km 2時間28分
(02)道北バス 2番 旭川駅前→名寄駅前 83.8km 2時間41分
(03)十勝バス 60系統 広尾営業所前→帯広BT 84km 2時間37分
(04)道南バス 日高沿岸線 苫小牧駅前→静内 84km 2時間35分
(05)夕鉄バス 急行線 新さっぽろ駅前→南清水沢駅前 55.9km 1時間43分【廃止】
(06)北紋バス 興部線 興部→紋別高校 29.7km 53分
(07)北海道拓殖バス 51系統 帯広BT→然別湖 65km 1時間42分
(08)北紋バス 遠軽線 紋別ターミナル→遠軽 54.5km 1時間25分
(09)名士バス 興部線 市立病院前→興部 68.2km 1時間40分
(10)ジェイアール北海道バス 日勝線 様似営業所→広尾 85.5km 2時間1分
(11)夕鉄バス 夕張市内線 新夕張駅前→石炭博物館 21.9km 47分

【栃木県・埼玉県】
(12)関東自動車 50系統 宇都宮駅西口→細谷車庫 7km 25分
(13)国際興業バス 飯03-2系統 飯能駅→名郷 24km 57分

【東京都・神奈川県・山梨県・静岡県】
(14)都営バス 梅76甲系統 上成木→裏宿町 12.4km 47分
(15)西東京バス 奥10系統 奥多摩駅→丹波山村役場 23.9km 54分
(16)神奈中バス 30系統 町田BC→橋本駅 12.7km 42分
(17)東急バス 反01系統 五反田駅→川崎駅ラゾーナ広場 12.3km 50分
(18)東急バス 川32系統 川崎駅ラゾーナ広場→高津駅前 13km 1時間1分
(19)神奈中バス 40系統 若葉台中央→長津田駅前 5.2km 23分
(20)神奈中バス 町77系統 長津田駅→町田BC 6km 25分
(21)神奈中バス 橋08系統 橋本駅→若葉台住宅 6.8km 20分
(22)神奈中バス 湘11系統 湘南台駅西口→茅ヶ崎駅 11.5km 42分
(23)伊豆箱根バス Z系統 小田原駅東口→箱根関所跡 23.6km 55分
(24)東海バス N65系統 元箱根港→三島駅 22km 53分
(25)しずてつジャストライン 42系統 新静岡→日本平ロープウェイ 15.5km 48分

【愛知県・三重県・和歌山県】
(26)知多バス 半田・常滑線 常滑駅→知多半田駅 8.2km 40分
(27)ふれんどバス 碧南駅→吉良吉田駅 15km 36分
(28)三重交通 56系統 三交南紀→松阪駅 134.8km 4時間20分
(29)三重交通 13系統 新宮駅→大又大久保 40km 1時間17分
(30)和歌山バス 52系統ほか 和歌山駅→南海和歌山市駅 3.1km 17分

【高知県】
(31)とさでん交通 S3/G1系統 桂浜→高知駅BT 12.8km 42分

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