大きな水溜まりにはロマンが溢れている。海沿いならそのまま海、陸で輝きを見せる水モノといったら湖だ。きれいな景色が楽しめる湖は観光スポットになりやすい……となれば交通機関が整備されてバスの一つでも通っていそうな気がする。
文・写真:中山修一
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■こんなにあるぞ!! 日本の湖
日本には湖がいくつあるのか……考えたことすらなかったが、実際何カ所なのか分かる範囲でリサーチしてみた。まず「○○湖」と名のつく純粋な湖だけに絞ると、少なくとも630カ所存在していると分かった。
湖には、自然の力で生まれた天然湖と、治水や発電などを目的に人の手で作られた人造湖、天然湖だったものを改造したハイブリッド湖の3種類がある。たとえば日本で最も広い湖の琵琶湖は法律面で言うならハイブリッドだ。
630カ所の湖を種類別に分けると、多い順に人造湖が532、天然湖が89、ハイブリッド湖が9カ所となる。視界いっぱいに広がる巨大な水場という圧倒的存在感から、少なからず観光地化しているのは、天然・人造問わず当てはまる湖が多い。
■観光にバスは付き物……でしょ?
観光資源として重宝されている湖なら、公共交通機関によるアクセスが考慮されているハズ。本当に湖とバスの関係が良好なのか興味がわいた。
しかし一度に全部調べるのは厳しいものを感じ、今回は天然湖とハイブリッド湖を対象に、バス事情を探ることにした。
湖の前に直接行くバスはもとより、湖まで歩いて行けるくらいの距離に停まるバスもOKにするとして割り出した結果、まずハイブリッド湖は9/9カ所でパーフェクトを達成。
一方の天然湖であるが、バスというかマイカーというか、さすが天然だけあって、ショットガンを持って行かないと五体満足で帰って来られないような、超秘境に位置している湖が含まれる関係で、54/89カ所と予想より少なめの結果が出た。
■1カ所選んでバスで行ってみる
バスで行ける日本の天然(ハイブリッド)湖の数は、とりあえず合わせて63カ所ということになる。この中から1箇所選んで行くとするなら…
……最初に目が留まったのは北海道の然別湖だった。然別湖は十勝地方・地図で見て北海道の中心部分よりやや右下に位置している。
およそ3万年前の火山の噴火によって川が堰き止められて生まれたと言われ、周囲の長さ13.8km、最大水深108m。標高810mと北海道で最も高い場所にある湖だ。褐色のお湯がわき出る温泉地なのも魅力の一つ。
2023年12月現在、然別湖周辺にはビジターセンター1軒とトイレ、駐車場、温泉ホテルが1軒営業している。四方を山に囲まれた人工物の大変少ない場所であるが、そんな秘境感漂う然別湖には、ちゃんと路線バスが通っている。
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