家電製品や自動車などは、新製品が発売されてしばらく経つと次のモデルに置き換わるのが定番であるが、路線バス車両がモデルチェンジするタイミングは何年おきだろうか?
文・写真:中山修一
(現地取材時の詳細写真ギャラリーを含む写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■今も新車で買える三菱車を例に見てみると…
ワゴン車とマイクロバスを除いた、一般路線バス向けのディーゼル車を2024年1月現在で製造・発売している日本のメーカーは、三菱ふそう、いすゞ、日野自動車の3社となっている。
今回は三菱ふそう製の路線車に絞り、モデルチェンジの変遷を軽くおさらいしてみることにした。現在同社で発売中のバス車両には「エアロスター」というペットネームが付けられている。
エアロスターはリアエンジン方式の箱型車体、70〜80人ほどが乗れる接客設備を載せた、スペック的にはごく一般的な大型路線車だ。
エアロスターシリーズのルーツを遡ると、これがかなり深いようで1950年代まで遡れる。同シリーズはどれも「MP○○」の型式を持っており、MPの付く三菱製大型路線車が初めて登場したのは1976年だ。
1976年登場の車両にはペットネームがなく、少し後に発売されたバリエーションでは、ボディ正面の顔立ちが特定の犬種を連想させることから、バスファンの間では「ブルドッグ」の愛称で呼ばれていた。
■エアロスターの始まりは1980年代!
「エアロスター」と命名された三菱製バス車両が登場したのは1984年。この年が純粋なエアロスターシリーズの始まりと考えて良さそうだ。
本モデルの型式はサスペンションの違いによってMP218とMP618に分かれ、218がリーフサス、618がエアサス仕様であった。
バンパーの上にセットされた、メーカー純正なら黒色の外枠に収められた丸目4灯のヘッドライトが、当時なかなか目新しく見えた。
三菱ふそうの路線バスでは今も標準装備になっている、フロントガラスの下・左端に切り欠きを設けてガラスを嵌め込み、前扉側の視界を向上させた「セーフティウインドウ」が当初から盛り込まれている。
使用者のニーズに応じてホイールベース(車体長)が4.8〜6.0mまで各種選べたほか、バス用としては相当珍しかったオートマのオプション設定が既にあったようだ。
コメント
コメントの使い方