バスだってちゃ~んとモデルチェンジしている!! しかし……そのサイクルが意外すぎた!!

■代替わりまで○○年!?

 MP218系列のエアロスターは、途中のマイナーチェンジやバリエーション展開を含めると膨大な数にのぼるが、型式と大元の姿形が劇的に変わったのは1996年。初代のデビューから12年後だ。

 「2代目」とも称する次のエアロスターでは、ヘッドライトが丸目から角目4灯に変更。ライトケースを収める外枠が黒色である点は先代から踏襲されている。

 初期に登場した2代目の型式は、MP317(リーフサス)とMP717(エアサス)、後年追加されたMP747(エアサスでノンステップ)に分かれる。

 2024年現在も2代目エアロスターは各地で見られるが、現役の車両は2000年発売のマイナーチェンジモデルが中心といえる。

 マイナーチェンジモデルでは、リーフサスでツーステップ/ワンステップ仕様がMP33、エアサスでツーステップ/ワンステップ仕様はMP35、エアサスでノンステップ仕様はMP37と、サスペンション+車内構造の違いで型式の数字が変わる。

左は相鉄バス MP35(PKG-MP35UM)ワンステップ、右が神奈中バス MP37(QKG-MP37FK)ノンステップ
左は相鉄バス MP35(PKG-MP35UM)ワンステップ、右が神奈中バス MP37(QKG-MP37FK)ノンステップ

 ホイールベースの選択肢も基本的には先代と同じながらも、エアサス・ノンステップ仕様のみ6.0mの設定がない。

■最近の三菱顔といえばコレ

 2代目がデビューした時代は、ちょうどバリアフリー関連の拡充がバスにも広がり始めており、ツーステップ車は次第に姿を消していったものの、ワンステップ/ノンステップ車のMP35/37系列は、長く使われて今日に至る。

 さて、全国各地で活躍を続けるMP35/37系列に変わる、新しいエアロスターはいつ発表されたのか……大きな変化が訪れたのは2014年、なんと18年もの間が空いていたわけだ。

 この新しいエアロスターは、角目4灯からバンパー一体型の角目2灯に変わり、いかつい印象を与える顔つきが特徴となっており、殆ど別物と言えるほど表情が一変した。

ジェイアール北海道バス MP35(QKG-MP35FP) ワンステップ車
ジェイアール北海道バス MP35(QKG-MP35FP) ワンステップ車

 エアサス仕様のみで、ノンステップ車には新しいMP38の型式が付けられ、ワンステップ車のほうは引き続きMP35を使用している。

 ワンステップ車の選択式ホイールベースは2代目と同様。一方でノンステップ車は約5mと約5.6mの2種類に寸法が改められた。

 厳密には2代目のマイナーチェンジモデルらしいのだが、外見が全く違うため、現行エアロスターを便宜的に「3代目」と呼ぶこともある。2014年発売のモデル以降は、今のところ大きな変化なく推移している。

■2回しか変わっていなかった!!

 三菱ふそう製エアロスターの主な変遷を振り返ってみると、1984年の登場後、1996年と2014年が激変の年であり、その間は12年と18年。約40年で2回しか変わっていなかったのも驚きだ。

 もしも現行車を完全にマイナーチェンジの枠組みに入れてノーカウントとした場合、1996年から2024年まで、28年もの間モデルチェンジが行われていない、ということになる。

都営バス MP38(2PG-MP38FK) ノンステップ車
都営バス MP38(2PG-MP38FK) ノンステップ車

 エアロスターに関して、何年おきのような決まったモデルチェンジのタイミングはなかった。いずれにせよ、1つの基幹モデルが長〜〜〜く“現行車”であり続けるのは確かだ。

【画像ギャラリー】デビュー約40年!! 新旧エアロスター観測(6枚)画像ギャラリー

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