1960〜1970年代のバス成長期にタイムトリップ!! それは初期の3扉車がデビューし始めた頃だった

■試行錯誤の一時的3扉車も

【写真6】京浜急行が大森地区で運用した日野 RE120の3扉車。十数年後には中扉両開きが開発される(1980年)
【写真6】京浜急行が大森地区で運用した日野 RE120の3扉車。十数年後には中扉両開きが開発される(1980年)

 これら本格的に3扉車の機能を活用して混雑緩和や乗降のスピードアップを図った事例としては、1970年代までに千葉海浜交通などラッシュ輸送に特化した路線などへの導入がある。

 このほか1960~1970年代には実際に3つの扉を使用したわけではないが、とりあえず試験的に導入してみたと考えるのが自然なケースが結構存在した。

 【写真6】は京浜急行電鉄が1972年ごろに都内で導入した日野 RE120の3扉車だが、後扉には「しめきり」の表示が出ている。

 【写真7】は小田急バスが1967年ごろに導入した3扉車で、いすゞ BA20。9mクラスの3扉車は珍しく、側面はドアばかりといった印象がある。同時期に三菱の9mクラスでも導入されているが、それ以降の導入はなく、また後扉が使用された形跡もない。

 地方にもいくつか事例がある。【写真8】は静岡鉄道が導入した富士重工ボディのいすゞ BA30で、3扉いずれも折戸を配している。乗降性というより中扉ツーマンと前後扉ワンマンの狭間での試行錯誤に思える。

 【写真9】は広島電鉄の日野 RE100で、西日本車体の3扉は他に事例がないのではなかろうか。ただしこれも後扉は「しめきり」となっている。

 1980年代以降、地域や使用路線を限定した形を中心に3扉車を積極的に導入する事業者がいくつか出てくるが、それらについては機会を見て紹介しよう。

【画像ギャラリー】再開発で姿を消した小田急新宿店の姿も!! 1960〜1970年代に現れたレアな3扉車たち(9枚)画像ギャラリー

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