昔は別々のメーカーが作っていたバスのシャーシと車体……英国では今もやってるってマジ!?

■複数のボディメーカーが支えるロンドンバス

 その代わりとして、2016年からボルボB5LHシャーシに、ニュールートマスターと酷似した車体を載せた、ライトSRMが製造された。

 SRMとは「Son of Route Master(ルートマスターの息子)」の頭文字で、パッと見た外見はほぼ同一だが、エンジンなどの機器室を置く関係で、特徴的な最後部のドアがなく2ドアとなっている。

ボルボB5LHシャーシ+ライトSRMのボディ
ボルボB5LHシャーシ+ライトSRMのボディ

 さらに、2015年にはアレクサンダー・デニス社が、同社製Enviro400 MMCボディを、ボルボB5LHに架装している。

 アレクサンダー・デニスが製造するEnviro400 MMCは、カミンズ製エンジンに自社製シャーシを組み合わせるのが標準仕様で、前モデルであるEnviro400では、ボルボ製シャーシへの採用例はほとんどなかった。

 2016年には、エジプト資本のボディメーカーMCV社が、同社製eVoSetiのボディを組み合わせている。ロンドン交通局の1事業者であるGo-Aheadグループは、2017年までに99台を導入している。

ボルボB5LHシャーシ+MCV eVoSetiのボディ
ボルボB5LHシャーシ+MCV eVoSetiのボディ

■バラエティ豊かな“同じ”ボルボ

 このように、ロンドン交通局におけるボルボB5LHシャーシの車両には、各メーカーごとに異なるデザインのボディが4種類も載っている。ライトバスのモデルチェンジを含めれば6種類、マイナーチェンジを含めればさらに多い。

 ここで一つ厄介なのは、ボルボ製以外のシャーシに同じ型のボディが載っている2階建てバスの判別方法。アレクサンダー・デニスEnviro400 MMCを例にすると、メーカー標準仕様でもボルボ製シャーシ架装でもボディデザインはほぼ同じだ。

 どこで見分けられるのか……一番簡単なのは、車体後部助手席側(後ろから見て左側)に大きな機械室があり、2階建て1階部分の窓が半分になっているという特徴がある。

ボルボB5LHシャーシ+アレクサンダー・デニスEnviro400 MMCのボディ(後部)
ボルボB5LHシャーシ+アレクサンダー・デニスEnviro400 MMCのボディ(後部)

 これは他のボディメーカーにも同様に見られ、一目でボルボ製シャーシと分かる。他に、標準仕様と比較してホイールベースが短く、リアオーバーハングが不自然に長いため、これもすぐに分かる特徴となっている。

【画像ギャラリー】意外なほど種類豊富!! ロンドンの赤い2階建てバス(15枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。