■それが「普通」らしいです
沖縄本島の各地をうろついていた際、現地在住の方と話をする機会を何度か得て、そういった話の中で、おおむね共通していたバスの特性があった。「遅れる」という点だ。
ちょっと、とか、たまに、ではなく、“必ず”遅れるのがミソ。これには避けようのない事情が付いて回るようで、まず挙げられるのが道路事情だ。
沖縄はクルマ社会であり、街中を走る自動車の数も半端ない。那覇周辺の交通量に至っては、首都圏の大都会と全く変わらないというか、それ以上のボリュームを感じる時すらある。
交差点という交差点で自然渋滞がボコボコ発生するのは日常茶飯事。そんなコンディションの下で大型バスを走らせようとなれば、そう簡単に進めないのは何となく察せる。
さらに、バスの乗降方法も遅れに起因している様子。前乗り・前降り方式は、中でも特に時間のかかるシステムだ。
しかも、多くの利用者が降りる途中停留所で、全員が現金払いかつ両替を希望していたとすれば、それだけで相当なロスになってしまう。
乗車中にしょっちゅう見たのが、停留所に立っていた人がバスの運転手さんに「このバス〇〇まで行きますか?」という質問を投げかける光景。インバウンド系の方が多かったので、言語の壁から説明も大変そうだった。
バスにとっては超不利な道路事情に加え、乗客の運賃収受と乗り降り、質問対応が何度も続けば、イレギュラーな停車時間がどんどん積み重なっていき、結構な遅れができあがる、という仕組みらしい。
先日バスで移動していた際も、途中で乗り換える行程を組んでいて「猶予20分あれば足りるべ」と思っていたところ、自然とガンガン遅れて、気づけば乗り継ぎ猶予が2分にまで減っていた。
しかも、乗り換えるバスが出るのが、同じ名前の停留所ながらも降りた場所ではなく、大きな交差点を挟んで150mほど離れた対向車線側にあるほうのバス停だった。
あ、これ信号待ちにハマったら詰むわ、と、気分はサスペンスドラマ終盤の断崖絶壁。
ところが蓋を開けてみれば、乗り換える側のバスも盛大に遅れていて、成り行きで乗り継ぎができてしまい、大きな問題には発展せず。
必ず遅れるとはそういうことか……しかしまあ、そのバスを逃すと次まで1時間半バスが来なかったので、遅延自体は精神衛生上プラスに働く代物でないのは確かだけど、ねぇ。
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