会津地方をより華やかな土地にしたのは成田空港と直結する高速バスの登場によるものだった!?

会津地方をより華やかな土地にしたのは成田空港と直結する高速バスの登場によるものだった!?

 会津若松市は福島県の内陸、会津地方の拠点となる都市だ。鶴ヶ城など観光、温泉などの県外客が季節を問わず見うけられる有名な土地。長距離バスは東京・新宿のドル箱路線に加え、成田空港行きが登場し、さらに華やかなムードとなった。

●会津若松・リステル猪苗代・郡山駅〜成田空港
○運行会社:会津乗合自動車
○相手会社:千葉交通
○乗車・撮影:2017年2月

(記事の内容は、2024年9月現在のものです)
執筆・写真/石川正臣
※2024年9月発売《バスマガジンvol.126》『思い出の長距離バス』より
※社名表記は運行当時のものです。

■雪国から世界の玄関口・成田空港へ。シーズンオフも大人気

会津乗合自動車の車両
会津乗合自動車の車両

 福島県会津地方を一手に路線バス事業を営む会津乗合自動車。尾瀬をはじめ多くの広い範囲での観光路線を持ち、一般路線としては会津若松市内線、長距離路線は若松駅前バスターミナルを起点に隣接県や東北各地へ展開する。関東は東京新宿便が盛況の中、新たに成田空港行きが加わった。

 2016年暮れから翌年3月までの週末を中心に運行。2月のある日、この年は全国的に積雪量が多く、会津若松駅前にも雪は積もっていても観光客は楽しそうに、駅前から発車していく市内観光地めぐりのバスに乗車し利用者が絶えない姿は明るかった。

 向かい側の駅前ターミナルには、観光以外の生活路線と長距離路線の乗り場で待合室もあるが、乗り場は狭く仙台空港行の発車に続いて成田空港行きが着車した。

 成田空港行き、ダイヤ通りに発車して会津若松インターから高速入り、上り坂なのか標高上がり、気温も低くなり雪の量も多くなる。

 猪苗代磐梯高原インターで一旦高速を降りて2番目の乗車地、リステル猪苗代。ここは東北最大級の部屋数を誇るリゾートホテルだ。磐梯山のふもとに白い建物を構えていて、このホテルにはスキーゲレンデがあるという贅沢すぎる姿に、一瞬ここで途中下車したくなるほどだった。

 再び高速道走行となると、一瞬だが猪苗代湖が見える。そしてみるみる雪が少なくなり、3番目の乗車地、郡山駅に到着。人の姿は多く、路線バスも次々と行きかう、さすが昔からの交通の要だ。

■高速バスはその走る姿を宣伝代わりに発展してきたが……

相手会社千葉交通。グループカラーだが、主として成田便はコンコルドのデザインが入る
相手会社千葉交通。グループカラーだが、主として成田便はコンコルドのデザインが入る

 そして磐越道から常磐道へと進入、すれ違う高速バスも増える。日立は住宅が立ち並び、更に土浦までくると交通量は急激に増え東京近郊の印象も、だがこちらは圏央道経由となり渋滞の心配はない。成田空港を発車してきた、共同運行の千葉交通のバスとすれ違うと成田空港到着となった。

 走れば乗客が乗ってくるという考え方が以前からあるようで、バス業界はあまり宣伝が得意でない印象がある。しかし世界の玄関口・成田空港便の開業に先立って、海外拠点があるリステルはその宣伝にも大きく着手し、この先の各国からの利用者が望めた。さらにホテルと提携し、有望な路線へと育っていくはずだった。

 しかし現時点での利用者が少なかったのか、その後運行はされなくなってしまった。前述のようにバス業界は認可されると即運行し、その走る姿が宣伝となってきたが、ホテルは時間をかけて継続し、多くの利用者を望む考えから温度差が生じた結果であったようだ。

 裏磐梯~東京便にリステル停車便が登場し、今後ほかの路線への広がり、会津若松、磐梯、猪苗代への足としてさらなる発展に期待が持てるだろう。

【画像ギャラリー】会津から世界へ!? 福島県から日本の表玄関・成田空港を結んだ長距離バス(10枚)画像ギャラリー

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