「道の駅」にバスで行くぞ!! でも……三重県の状況を調べてみたらまさかの“退歩”だと!?

「道の駅」にバスで行くぞ!! でも……三重県の状況を調べてみたらまさかの“退歩”だと!?

 案内標識を見るだけでときめく「道の駅」。大抵マイカー向けの施設ではあるものの、公共交通機関のアクセス手段だって最低限用意されているのでは?……そのあたりどうなっているのか、全国道の駅の公共交通カバー率を調べてみようと考えた話の第7回目。

文・写真:中山修一
(三重県の道の駅と公共交通にまつわる写真つきフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

■三重県の「道の駅」事情やいかに?

三重県にある道の駅「紀伊長島マンボウ」
三重県にある道の駅「紀伊長島マンボウ」

 2025年1月31日現在のところ、全国1,221カ所(駅)に加え、新たに9駅が加わった1,230駅もの道の駅が登録されている。1回ではまとめ切れないため、都道府県別に分けてリサーチを進めていくことにして、今回は三重県にある道の駅を見てみよう。

 三重県には全部で18カ所の道の駅が営業している。内訳を記すと……

(1)飯高駅
(2)菰野〜こもの〜
(3)紀宝町ウミガメ公園◆
(4)パーク七里御浜◆
(5)海山◆
(6)奥伊勢木つつ木館◆
(7)熊野きのくに◆
(8)茶倉駅
(9)奥伊勢おおだい◆
(10)美杉
(11)関宿
(12)伊勢志摩
(13)紀伊長島マンボウ◆
(14)あやま
(15)いが
(16)津かわげ
(17)熊野・花の窟◆
(18)熊野・板屋九郎兵衛の里

……となっている。

 三重県内の「道の駅」がある場所に注目してみると、8/18カ所と半数近くが、国道42号線沿いに位置している特徴が挙げられる。上記の末尾に「◆」を添えたものがそれにあたる。

■三重県道の駅の公共交通機関カバー率

 上記のデータを踏まえて、道の駅の近くに電車の駅やバス停などの乗り場が置かれているかをマップで確認。

関西本線関駅の隣には、鉄道でもアクセス可能な道の駅「関宿」が営業
関西本線関駅の隣には、鉄道でもアクセス可能な道の駅「関宿」が営業

 道の駅施設から実距離で周辺300mの範囲を「最寄」に見立てて、それより遠い場所はアクセス手段の対象外とした。結果には上記の道の駅に割り振った番号に、最寄駅やバス停などの名称を記してある。

 「バスと電車」といった交通手段が複数選べる場合、総合カバー率では1としてカウントする。結果は次の通り。

【電車あり】2/18駅 11%
(4)阿田和(JR紀勢本線)
(11)関(JR関西本線)
※どちらも非電化

【バスあり】12/18駅 67%
(1)道の駅飯高駅
(3)井田舞子
(4)七里御浜
(6)滝原宮前
(7)小口野
(8)茶倉駅
(9)道の駅奥伊勢おおだい
(10)道の駅美杉
(11)関駅前
(16)道の駅津かわげ
(17)花の窟
(18)道の駅熊野・板屋九郎兵衛の里

【公共交通なし】6/18駅 33%
(2)菰野
(5)海山
(12)伊勢志摩
(13)紀伊長島マンボウ
(14)あやま
(15)いが

■まさかのカバー率減少!?

 三重県道の駅の公共交通総合カバー率は7割に満たないくらいであった。公共交通なしに含まれる道の駅も、施設に隣接した道に路線バスは通っているものの、近くに停留所がないため除外になったものが少々ある。

 実は2025年3月までは72%と、もう少しカバー率が高かった。減った理由の一つが、バスなしに該当させてある(13)紀伊長島マンボウ。

珍名バス停「マンボウ」
珍名バス停「マンボウ」

 ここには三重交通の56系統・松阪熊野線が対応していた。最寄りが「マンボウ」という非常に珍しいバス停名であるのも印象深い。

 ところが、この56系統は2025年3月31日に運行を終了。将来的にどうなるかは現状不明ながら、同停留所を通る他のバスがないため、1だったものが0に変化した形だ。

 また、バスありに含めた(6)滝原宮前に関しても、停車する一般路線バスは56系統のみだった。2025年4月以降も高速バスは立ち寄るが、使い方がかなり限定されそうだ。

 56系統の最末期ダイヤは平日のみ1日1本しかなく、道の駅へのアクセス目的に使えるかどうかは置いておくとしても、カバー率が下がるということも十分起こり得る事例が三重県で見られた。

次ページは : ■バスと仲の良い道の駅

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