旧JR江差線の代替バスすら通らない駅跡……そこへ行ける交通手段って果たしてあるのか?

■そのままの駅前ロータリー

 江差駅にはコンクリート造りの駅舎と駅前ロータリーがあった。廃止後に駅舎は取り壊されたが、ロータリーは現在もそのまま残っている。

江差駅前に残るロータリーに624系統が立ち寄る
江差駅前に残るロータリーに624系統が立ち寄る

 鉄道現役当時、ロータリーの中に現624系統のバス停が置かれていて、バス停名は「江差駅前」であった。

 鉄道廃止後、名称が江差駅前から「陣屋団地」に変更。バス停の位置は以前と変わらず、ロータリー内に健在だ。

江差駅前→陣屋団地へとバス停名が変わった
江差駅前→陣屋団地へとバス停名が変わった

 鉄道駅の跡をカバーしているところに注目するなら、624系統もまた、ごくほんの一部だけ、既存路線を活用した鉄道代替バスの一種、とも取れる。

2025年5月現在の江差駅前跡
2025年5月現在の江差駅前跡

 木古内からバスで江差駅跡へ行く場合、631/632系統の代替バスに乗って江差ターミナルで624系統に乗り換える形、と書くまではシンプルながら、全くと言って良いほどキレイに繋がらないのが課題。

「駅前通り」と「停車場線」の呼称は健在
「駅前通り」と「停車場線」の呼称は健在

 どの便で来ても歩いた方が早い(歩かないとダメな)状況になりそうで、もしもバスだけで木古内→江差間を移動して鉄道時代を偲びたいと思った場合、何気にクリアするのが難しいテーマだったりする。なお逆の江差→木古内は昼間を狙えば一応可。

■2025年5月の江差駅跡

 現在の江差駅跡周辺を見て回ると、駅舎のあった位置と線路周りは住宅地と道路に作り替えられて暫く経ち、住宅地になってから大きな動きは特にない模様。

江差駅前に一時期あった江差線と江差駅の資料館
江差駅前に一時期あった江差線と江差駅の資料館

 鉄道廃止後に駅前ロータリー脇の建物を利用して、江差線の資料館が設けられていた時期もあったが後に閉館。建物本体は同じものが今もある。

駅跡に作られた江差線記念モニュメント
駅跡に作られた江差線記念モニュメント

そのほか、ホームのあった位置近くに作られた、レールの一部と車止め・レプリカの駅名標と、駅長さんの帽子をあしらった木製の記念碑を組み合わせたモニュメントが、江差線のあった時代を思い起こさせてくれる。

【画像ギャラリー】江差駅跡と函館バス624系統(16枚)画像ギャラリー

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