まだ現役で頑張っていた三菱ふそうの初代エアロスター(MP218/618)を福島で発見&キャッチしたぞ!!

まだ現役で頑張っていた三菱ふそうの初代エアロスター(MP218/618)を福島で発見&キャッチしたぞ!!

 筆者に限らず海外在住者にとって、いくら好きでも日本のバスを追い掛けるのはなかなか大変で、もちろん一時帰国したときくらいしかチャンスがない。しかし年々減り続ける旧い車両は、残っているうちに記録しておかなければ後悔することになる!!

文・写真:橋爪智之
構成:中山修一

■ウワサの旧車に会いに行く

ついに見つけた!? 2025年時点で現役の初代エアロスター
ついに見つけた!? 2025年時点で現役の初代エアロスター

 2025年夏、日本滞在中にまだ現役で残る旧型車を記録したいと考え、どこを訪問しようかと思案していたら、息子が「初代エアロスターがまだ福島に残っているみたいだ」と言う。

 三菱ふそうによる初代エアロスターのMP218/618と言えば、現役ならすでに30年以上の超経年車、殊に30年ランナーの中でもエアロスター系は殆ど見かけない。

 インターネット上にも、それらしい情報は出てくる。しかし公開から既に何年も経っていたり、信憑性に欠けたりするものも多く、それだけを判断材料にするのはリスクが大きい。

初代エアロスターの後ろ姿。シンプルだが好感の持てるデザインだ
初代エアロスターの後ろ姿。シンプルだが好感の持てるデザインだ

 日程的に訪問はかなり厳しいが、もし本当に現役であれば、これは訪れないわけにはいかない。目当ての車がいるかどうかは、事前に福島交通へ事実確認をすれば済む話。

 しかし週末と重なってしまったことと、日程の都合で週末明けの月曜日しか都合がつかないことから事前の確認は取れず……。

■駅前で張っていてもダメだったが…

 結局ダメ元で、福島へ突撃訪問をすることになった。

 東京から高速バスに揺られ、まずは月曜日の早朝から福島駅前で張り込みをしてみた。平日の朝であれば、もしまだ営業中なら見られる確率が高いと考えたからであったが、ラッシュが終わるまで待てど暮らせど現れず空振りに。

助手席側確認窓を初採用したのは初代エアロスターだ
助手席側確認窓を初採用したのは初代エアロスターだ

 であれば、もう車庫を訪問するしか手はないと考え、福島交通本社のある車庫を訪れてみた。裏へ回ってみると……いた!

 確かに初代エアロスターが停車している!! 敷地外側から確認すると、1台は現役、もう一台は廃車のようにも見えたが、とにかく存在は確認できた。

この数の初代エアロスターが現役なのは福島交通くらいかも
この数の初代エアロスターが現役なのは福島交通くらいかも

 なんとか撮影できないものかと、アポなしの失礼を承知しつつ同社広報課に問い合わせてみたら、なんと先ほどまで停車していたエアロスターが車庫から発車していくではないか!

 後に広報課から頂いた情報によれば、エアロスターはまだ数台が残っているものの、福島市内での営業はあまりなく、伊達市霊山町掛田付近の町民バスとしての運用が中心で、先ほど発車したバスもその掛田へ向けて回送していったとのこと。となると、後を追うしかない。

■やはりまだ現役だった初代エアロスター

 結局、そのまま掛田まで追い掛けてみたら、先ほど車庫から出ていった車両だけでなく、他に2台が操車場に止まっており、なんと3台が横並びになっていた。

掛田の操車場に並ぶ3台の初代エアロスター
掛田の操車場に並ぶ3台の初代エアロスター

 さらに、仙台の愛好家団体が貸し切ったもう1台も停車しており、この令和の時代に車齢30年超の初代エアロスターが高密度で集結するという、異様な光景が実現した。

 その後、この4台目も並べて駐車し、エアロスター4台がずらりと並ぶ光景も見られた。その姿を読者の皆様にも是非ご覧頂きたいところだが、これは貸切られている皆様だけの特権ということで、ここでの公開は控えさせて頂く。

 大収穫を得られ、福島まで出張した甲斐があったと満足して帰路に就いたが、これで話は終わらなかった。

後部のエンジンルーム側。車体裾に錆は見られるが状態は悪くない
後部のエンジンルーム側。車体裾に錆は見られるが状態は悪くない

 せっかくなので郡山で途中下車し、駅前の様子を少し観察しようとロータリーへ出てみたら、エアロスターが停車している!

 帰宅を予定していた列車は見送り、そのまま停車していたバスに飛び乗った。行き先を見ずに乗車してしまったが、郡山駅を始発とする17-3番の希望ヶ丘・うねめ団地行きであった。

 この車両、後に色々と調べてみたら、1994年製のU-MP218Kで、1989年排気ガス規制車両のU代であった。車齢は何と31年目!今や1994年規制のKC代ですら見かけなくなってきたのに、U代の車両とは恐れ入った。

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