■アゼリアモール
駅周辺を歩いた後は再びバスに乗車する。次は館林・板倉線だ。こちらは利用者が多いようで中型がやってきた。ラッピングされているアゼリアモールまで乗車する。バスの大きさは変わってても運賃の支払いは同じく前扉からの乗車時に運賃箱へ投入する形だ。
午前9時には30度を超える気温で、冷房の効いた車内に入るのがとても気持ちいい。約15分で目的地の「アゼリアモール前」に到着した。ここでほとんどの乗客が降車した。館林市内でも大きなショッピングモールで、開店前の駐車場はいっぱいのようだ。
なおここには道路沿いに設置された「アゼリアモール前」と、敷地内の店舗前に設置された「アゼリアモール」バス停があり、乗り入れている路線も違っている。いくつかのバス停が置かれていて、館林市の路線バスや隣接する板倉町のコミュニティバスのバス停もあった。買い物客の利用を含め、乗り換え拠点としての機能もあるようだ。
■聖地巡礼?
買い物を楽しんで再び店舗入口に戻ると、ちょうどバスがやってきた。朝に乗車した赤羽線のワゴン車である。館林中心部へ戻るのに乗車するが、写真のラッピングにお気づきだろうか。館林市が舞台となったアニメ「宇宙よりも遠い場所」のキャラクターが描かれたバスである。
そこは、宇宙よりも遠い場所──。何かを始めたいと思いながら、なかなか一歩を踏み出すことのできないまま高校2年生になってしまった主人公・玉木マリ(たまきまり)ことキマリは、行方不明となった母親を見つけるため南極を目指す少女・小淵沢報瀬(こぶちざわしらせ)と出会う。
高校生が南極になんて行けるわけがないと言われても、絶対にあきらめようとしない報瀬の姿に心を動かされたキマリは、報瀬やバイト先で一緒になった三宅日向(みやけひなた)、芸能活動をする女子高生白石結月(しらいしゆづき)と共に南極を目指す「女子高生南極青春グラフティ」、それがこの「宇宙よりも遠い場所」略して「よりもい」である。
そしてそのキマリ達が住む街として舞台になっているのが館林市なのである。アニメ放送は2018年で2024年に再放送されたことにより話題になったアニメ作品だ。最初の放送以降、館林市を巡礼に訪れる人も増え、主要キャラクターの4人は「館林アニメアンバサダー」として、様々な場面で館林のPRを行っている。
■ラッピング車内でもヲタ活可能ってマジ?
市役所やつつじが岡公園には垂れ幕やのぼりが、また館林駅にも市制70周年の垂れ幕にキャラクターが描かれている。その流れで2022年1月28日よりこの「宇宙よりも遠い場所」ラッピングバスの運行が始まった。バスは2路線を担当しており、今回乗車する赤羽線は毎週火・木・土曜日、茂林寺巡回線は毎週月・水・金曜日に走行している。
両路線は沿線にアニメで登場したスポットがあり、巡礼に便利な交通機関となっている。祝日・年末年始は運休だが、とりあえず日曜日以外ならどこかを走っているので乗車は可能だ。
現在も運行している「宇宙よりも遠い場所」ラッピングバスだが、側面と後部にラッピングがされており、乗降口側には茂林寺沼の景色に4人のキャラクターが、運転席側には多々良沼の景色に4人のディフォルメされたキャラクターが、後部には日本遺産の里沼の景色にキマリの幼馴染高橋めぐみ、そして妹の玉木リンが描かれている。
車内には特に装飾があるわけではないが、乗車したアニメファンのための巡礼ノートと、思い出を挟み込めるアルバムがプラケースに収められて、運賃箱横にセットされている。乗車したらぜひ読んで書き込んでヲタ共感を楽しんでみてはいかがだろうか。
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