高速バスは大都市間の昼行・夜行のものが多いが、主要都市から地方の観光地を結ぶバスも存在する。今回はそんな観光地直結の高速バスを乗り継いでみたので、その様子をレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■加越能バスの高速バス
出発地の名古屋駅に降り立った。名鉄名古屋駅に隣接する名鉄バスセンターからの出発だ。連休ということもあり、ビジネス用途よりも観光や帰省等で大きな荷物を持った人が目立つ。どの方面も乗客は多く、人気のようである。名鉄バスセンターの3階からまずは高岡行きの高速バスに乗車した。
8時前にやってきたバスに続々と乗客が乗車していく。満席ではなかったが、朝一番のバスにも関わらず半分以上の座席が埋まっていて盛況だ。定刻に出発したバスは名古屋市内をしばらく走行した後に高速道路に入る。この高速バスは加越能バスが運行する「高速バス名古屋線」と称し、名鉄バスセンターと高岡市の加越能バス本社前を平日は5往復、土日祝日は6往復運行されている。
以前にこの路線は記事に書いたが、今回は前回とは逆向きで乗車した。高速区間も順調に走行を続けている。車窓はあいにくの雨天だったが、車内ではそれぞれが思い思いでバスの移動を楽しんでいるようである。東海北陸自動車道に入り、岐阜県郡上市にあるひるがの高原サービスエリアで約10分の休憩となった。
■城端サービスエリアで下車
雨の中をくぐってサービスエリアを行き来していると、エリア内はかなりの観光客で賑わっていた。駐車場もよく見ると乗車してきた加越能バス以外はほぼ観光バスのようで、前面に掲げられたツアー名を見ると飛騨高山や白川郷を楽しむもののようで、どれもたくさん乗車しているように見えた。
筆者の乗車するバスも予定の時間に出発して北上を続ける。この先の飛騨トンネルを抜けるともう富山県である。東海北陸自動車道にある城端サービスエリアが最初に停車地である。
サービスエリアの導入路に入ったバスは駐車場を越えてその先にある停留所に停車、筆者はここで下車した。ここは城端サービスエリアに隣接する城端ハイウェイオアシスといい、一般道からも利用できる施設だ。
食事ができるスペースや喫茶店、観光農園、ホテル、そして知る人ぞ知るアニメーション製作スタジオのピーエーワークスの本社のある場所でもある。
さすがにスタジオには入ることはできないが、隣接する施設「南砺市クリエイターズプラザ」にはこれまでピーエーワークスが手がけた作品や、関連商品の展示、グッズの販売などが行われている。ファンなら一度は訪れてみたいスポットである。
■予約がないと通過?
なお城端サービスエリアは乗車してきた加越能バスのほか、イルカ交通の「きときとライナー」も停車する。こちらは下り線で、砺波・高岡方面で降車停留所となっており、名古屋方面への乗車口は向かい側の駐車場スペースにバス停が設置されている。
ただこのバス停は、どちらの会社もデマンド方式によるバス停となっており、城端サービスエリアでの降車、乗車の予約をしておかないとバスはやってこないので注意していただきたい。
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