ラッピングバスで聖地巡礼……いちいち利用者数にマッチングするバスが来るってマジ?

ラッピングバスで聖地巡礼……いちいち利用者数にマッチングするバスが来るってマジ?

 旅に出るきっかけをくれるものとして行ったことのない、初めて訪れる街を歩くという未体験の経験も旅の醍醐味だ。今回はまだ行ったことのない街を歩いてみたので、その様子をバス情報とともにレポートする。

文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■バス停の時刻表が難解

館林市役所前バス停
館林市役所前バス停

 筆者が降り立ったのは群馬県館林市である。群馬県の東南部に位置し北側は栃木県、南側は利根川を越えると埼玉県だ。城沼、多々良沼、近藤沼や茂林寺沼といった多くの池沼が点在しており、集まる動植物や自然の風景に触れることができる。また東京までは鉄道で約1時間と、アクセスがよく気軽に訪れることのできるエリアだ。

 夜行バスで早朝に館林市に到着し、周辺を散策した。市役所近くにあるつつじが岡公園は城沼沿いに広がる総合公園で、毎年春には「つつじまつり」が開催される。その名の通り園内には100品種1万株以上のつつじが植えられている。どの時間帯でも自由に散策できるため、市民の憩いの場になっている。この日も朝早くからウオーキングや散歩を楽しむ人が多く見られた。

運行日が難解すぎてよくわからない時刻表
運行日が難解すぎてよくわからない時刻表

 散歩後に館林駅まで戻るためにバスを利用した。館林市のバス事情については後述するが、まず乗車するのは「花山入口」バス停である。通常のバス停よりもやや低いタイプで車で走っていると見落としてしまいそうだ。赤羽線という路線で、時刻表の情報量が難解で多い。

 まず火曜日、木曜日、土曜日の週3日運行で、それ以外の曜日と日曜日、祝日は運休だ。また「土曜日は平日運行となります」とあるが、これも解釈が難しい。恐らく他の路線で平日ダイヤ、休日ダイヤというものがあり、そこは平日ダイヤに土曜日を含んでいるため通常イメージする平日と休日の曜日と間違えないようにするためだと思われる。

■お約束のハイエースコミューター!

ハイエースコミューターが登場
ハイエースコミューターが登場

 時刻表を眺めていると、1台のワゴン車がやってきた。これが赤羽線の車両のようだ。乗車時に運賃200円を支払い、空いている座席に座る。まだ7時過ぎということもあり、車内は筆者1人だけであったが、途中で数人の乗車があり終点の館林駅東口が近くなる頃には半分ほどが埋まった。車内は空調も効いていて涼しく、座席横には降車ボタンもあり設備は整っている。

運賃は1乗車200円
運賃は1乗車200円

 終点の館林駅東口には定刻で到着した。降車扱いが終わるとすぐ出発していった。見渡すとやや小さいロータリーだが、車の往来は多く賑やかだ。内側には休憩スペースがあり、緑もあるので暑い日でも涼むことができそうだ。館林駅は東武伊勢崎線の駅で特急停車駅である。

 伊勢崎線・佐野線・小泉線の3路線が乗り入れ、行き交う電車も多い。また北に3kmの位置にはアサヒ飲料群馬工場があり「カルピスみらいのミュージアム」という工場見学ができる博物館が併設されている。その関連で駅入口はカルピスの水玉でラッピングされており、季節柄とても爽やかである。

■客数に応じた配車体制!

比較的乗客が多い路線はエルガミオが来ることも
比較的乗客が多い路線はエルガミオが来ることも

 館林市を走るバスについて紹介すると、館林駅東口と西口を基点に12路線が市内を網羅している。一部路線は隣接する板倉町・千代田町・明和町まで延びていて、利便性は高そうだ。

 またバスの利用状況に応じて使用される車両も異なり、中型バスから小型のポンチョやワゴンタイプの車両も使用される。車体には各路線専用となっているものもあるのか、路線名が車両に表示されているバスも見ることができた。

ワゴン以上ミオ以下はポンチョが来る?
ワゴン以上ミオ以下はポンチョが来る?

 ダイヤは年末年始は全路線運休で、それ以外は毎日運行されるもの、休日運休や先ほど乗車した赤羽線にように指定された曜日のみ運行のものなど、かなり細かく分かれている。また通勤通学のために一部停留所を通過するライナー便というのもあり、乗車する際はよく調べてから利用していただきたい。

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