■あれ? 2軸?
ひとしきり撮影を終えてバス乗り場に戻り、バスを撮影する。よく見るとジェミニ3は2軸だ。通常は重量の関係でダブルデッカー車は3軸というのがデフォルトだが、これは2軸だ。実は大型観光バスの12m車ではなく11m車なのだ。よって高速バスにも使用されるフルサイズのスカニアダブルデッカーやエアロキングと並べると確かに短い。
運転士の話によると、国産のエアロキングは高速車や貸切車に使用するのが主な目的なので乗り心地重視でサスペンションは柔らかく、外国製のダブルデッカー車は主にたくさんの乗客を詰め込む路線バスとしての使用が主目的なのでやはりサスペンションは硬めの設定なのだそうだ。
これは設計思想の違いなので仕方がない。ちなみに日本人が日本で走るために設計されたエアロキングの方が古い設計でも運転はしやすいとのことだった。
■帰りもずっと雨!
スカイツリーの駐車場を出るとやはり雨は降りだしていた。せっかくスカイツリーのエアコンで乾いた服がカッパ着用とはいえまたずぶ濡れになる。しかも上野を過ぎてまた首都高速に入り快調に走ってくれるので、雨の日にバイクで走るのと同じ状態になっている。
銀座から日比谷を抜けて東京駅に戻った時には人も座席も床も雨ざらしでものすごい状況になっていたが、ガイドは2階最後尾席でマイクを握ってずっと話し続けている。さすがプロだ。
それでも今まで通常通りの案内を続けていたガイドが、最後に乗客へのねぎらいの言葉と、大雨の中でのアトラクション的なオープントップダブルデッカー車でのドライブを楽しんでもらえたことへの感謝の言葉を述べたことで、乗客の大雨の不快さは吹き飛び、胸を打ったことだろう。
さすがにここまで体験するともはや梅雨の時期に雨の日を狙って乗ってほしいと言わざるを得ず、この「ずぶ濡れバス旅」の経験はきっと初夏のいい思い出になるだろう。
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