はとバスは、2階建てオープンバスで運行する新しい夜コース「ディスカバーナイトドライブ(夜景の東京スカイツリー)」を 2024年7月12日より運行開始した。その初便に乗車して同行取材したのでレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■18時発の3時間ドライブ!
同ツアーは夜間ドライブコースで、使用するバスはスカニアの「エクリプス・ジェミニ 3」。最初からオープントップのダブルデッカー車として製造された車両で、初便は2台運行、しかも2台とも新車のジェミニ3がやってくるという大盤振る舞いだ。
18時に東京駅丸の内南口のはとバス乗り場を出発して約3時間の夜間ドライブだ。そのうち降車できるのはスカイツリーの展望台見学のみという、思い切ったシンプルさでオープントップバスを堪能するためだけにあるといっても過言ではないツアーだ。
18時前に到着すると他のツアーで戻ってきたエアロキングのオープントップバスや日野セレガのハイブリッド車等が並んでいた。そして登場したジェミニ3はまさかの前面・側面行先方向表示機付きのダブルデッカーだ。香港のダブルデッカー路線バスを思い起こさせるいでたちだ。
■出発直前に大雨が!
出発時刻が近づいてくると、梅雨の時期ということもあり大雨が降りだした。気温は下がってよいのだが、乗車するのは目の前の天井がないダブルデッカー車だ。どうするのだろうと見ていると、カッパを着たガイド乗客にカッパを配っている。あくまでも天幕は張らない気だ。
何がどうあってもオープントップで運行する気満々のはとバスは、雨の中をさっそうと発車する、と思いきや一向に出発する気配がない。雨はどんどん降ってきて停車したままの客室内に容赦なく降り込む。
荷物は1階席に置けるとしてももう諦めるしかなく、濡れるがままだ。ただし、雨天はカッパ着用で運行する条件付き運行を事前に承諾を得ているので、変更やキャンセルをすることもできるが大半の乗客は黙って乗車している。
■輸入車あるある!
発車できなかったのは電装系とドアセンサーの不具合で、根本的にセンサーのつくりが違うために起こったものと考えられる。運転士はこれまでの輸入車を運転した経験から試行錯誤してセンサーの問題点を発見して無事にドアが閉まり20分遅延で発車した。まさに輸入車あるあるだ。
しばらくは東京駅周辺を走っていたが、首都高速に入ってもオープントップのままで走り続けた。これはなかなか豪快で、楽しい。雨はやんでいたが、カッパのバタバタ音が首都高速道路の速度によりものすごいことになっている。まさにアトラクション感覚だ。
■地上からのスカイツリーは?
首都高速で江東区まで回ってから墨田区に入り、スカイツリーの団体バス駐車場に入る。これから展望台に上がるのだが、そもそも下から展望台がほとんど見えない。下から見えないものが上から見えるものなのだろうか、と首をかしげながらバスを降りた。
ツアー専用の通路とエレベーターで展望台まで上がる。360度囲まれた外向きの窓はすりガラスになっている、のではなく窓の外が雲で覆われていてすりガラスのように見えているのだった。さすがに下から見えないものは上からでも無理なのか。
しかし風が強かったことから雲の流れが速く、どこかで雲の切れ目から東京の夜景が見えた。まるで低空で雲の上を飛行している航空機の窓から見る光景だ。これはこれで素晴らしい雰囲気だ。
コメント
コメントの使い方