富士吉田市と富士急行らが、持続可能な地域公共交通の実現を目指して自動運転EVバス運行の実証実験を実施していることは以前にお伝えした。その富士吉田市内の「富士みち」を使った実証バスに乗車した。旅行者でも使える半日モデルプランを組んで行ってみたのでレポートする。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■走行経路は富士吉田市内
本実証実験では、富士吉田市内のメインストリートを走行はするものの、鉄道駅やバスターミナルには入らない。よって地理感覚のない旅行者にはどう使ってよいのかがわからないのが実情だ。とはいえ富士吉田市では旅行者にも観光需要で使ってほしいのは本音のようで、その点においてはPR不足である面は否めない。
コミュニティバスにありがちな市役所を起終点にする一筆書きのルートで走行する。途中で最も近い鉄道駅は富士急行の「富士山駅」だが、最寄りの停留所は「金鳥居公園前」で、地元の人以外はおおよそ駅近くの停留所とはだれも気が付かないので、利用されにくいという難点がある。
これにはいくつもの理由が重なるが、最も大きいのは複雑なバスターミナルへの入線をルートにするとマッピングが複雑になり、遅延の要因になるということだろう。であればそこだけは手動運転にするというハイブリッドでも良さそうな気がする。
■半日モデルコース
東京から半日で行って帰って、富士吉田市内で食べて観光するには、この自動運転バスのルートがなかなかうまい具合に走っている。その意味からも県外の旅行者にもっと知らせるべきだろう。
バスタ新宿を1045に出発する高速バス富士五湖線に乗ると富士山駅に着くのが1237。平日に乗車したのに3号車まで出て満席という盛況ぶりだ。半日の予定なので、他にも食べるお店はあるのだが富士山駅の地階にあるフードコートで食事をする。
■吉田のうどんはコシだらけ!
当地で有名なのは吉田のうどんだ。太いコシしかない不思議なうどんだが、これが病みつきになる方も多い。市内には他にも吉田のうどんを出すお店はたくさんあるので、お好みのお店が沿線にある場合はそちらに行ってもいいだろう。
新宿からの高速バスでこの便を選んだのは、渋滞での遅延も加味して食事をとるのに十分な時間があるダイヤだったからだ。富士山駅から歩いて公園の横を過ぎると大通りに出る。徒歩3分とかからない。道路を渡り金鳥居を背に歩くとバス停がある。
■電車のATOのような操作?
自動運転のEVバスはいわゆるカート形式のものではなく、BYD社の座席定員15名の小型バスだ。ただし立席での乗車は禁じられているので、運賃は無料だが予約が必要である。空席があれば乗れるが、できれば予約しておきたい。
運行は富士急が担当するので、富士急バスの運転士が乗務しているが、モニターを監視しているだけだ。タッチパネルの発車ボタンを押すとバスは動き出す。まるで電車のATO(ワンマンの地下鉄等で採用されている自動運転)のようだ。
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