450psを誇る17L・V8ツインターボが咆える  2001年式のセレガR、速いゾ!!

450psを誇る17L・V8ツインターボが咆える  2001年式のセレガR、速いゾ!!

 いつもエポックメーカーとなった車種の試乗を実現させてくれる、オノエンジニアリング( オノエン観光)。今回は21世紀になった年に登場したセレガRの出動となった。

 しかもそのボディは前面ガラスが上下2分割のSHD、ひと呼んで『セミダブルデッカー』だ! !  SHD を“ 中2 階” と呼ぶベテランファンや関係者は多いが、このタイプこそ「リアル中2階」のバスと言えそうだ。

【画像ギャラリー】えっ、2階はどこにあんの!? これぞリアル“中2階”のバスだ!!

文:近田茂/写真:石川智
取材協力:オノエンジニアリング(オノエン観光)


乗車してから6段ステップ!! 1.07mも昇る開放的な車内

流れが速めの幹線道路でも、ハイパワーエンジンのおかげで遅れることはない。それどころかその加減速の実力は、乗用車を凌ぐほどだ
流れが速めの幹線道路でも、ハイパワーエンジンのおかげで遅れることはない。それどころかその加減速の実力は、乗用車を凌ぐほどだ

 21世紀初頭、日本の観光バスは今よりも多くのバリエーションがそろえられていた。その中のひとつに、超高床と呼ばれたいわゆるスーパーハイデッカーがあった。

 今回の試乗車はセレガRGJ。いすゞはガーラIIIGHD 。三菱ふそうはエアロクィーンIIスーパーハイデッカー低運転席や同IIIセミダブルデッカー、そして日産ディーゼルにはスペースウィングにスーパーハイデッカーがあり、百花繚乱の時代だった。

 まさに豪華絢爛を極めた超高床車は、観光バスを代表するスターだった。この上はダブルデッカーのエアロキングとなるだけに、観光バス事業における花形、まさにプレミアムな存在として輝いていた。車体の全高はザックリいうとハイデッカーより約300mmも高く、2階建てのキングにあと約100mmに迫る。

 客席フロアは地上高にして1760mmの位置にある。既報のキングもそうだったが、このタイプのバスは運転経験が無かっただけに個人的にもとても興味深く、オノエン観光には深く感謝しつつ、ありがたくハンドルを握らせて頂いた。

 さてドアを開けると、そこはルーフまで完全に吹き抜けの広々空間が広がっている。フロントガラスはアッパーとロワーの2枚に分けられ、前方の見晴らしも抜群。オシャレなリーゾートハウスに見られるような解放感に誰もが驚かされることだろう。

ワインレッドをベースカラーとするシートモケットには、やはり経年感は否めないが現在のシートよりも身厚でゆったり感がある
ワインレッドをベースカラーとするシートモケットには、やはり経年感は否めないが現在のシートよりも身厚でゆったり感がある

 客席へのアクセスは何と6段ものステップを昇る。入り口ドア1段目までの地上高は450mm。そこから2段目へは185mm。右へ折れるコーナーステップの3段目も185mm。同じく4段目は235mmで通路に向いた5段目も235mmそしてラスト、6段目の通路までが230mmある。ドアをひと足踏み込んでからさらに1070mmも昇るわけだ。

 一方運転席は2段目の高さから面一となるフロアで、客席通路先端より885mm低く、客席から運転者は完全に死角となるのだ。

次ページは : 客席からは視認できない低い運転席と凄みのあるエンジン

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