450psを誇る17L・V8ツインターボが咆える  2001年式のセレガR、速いゾ!!

客席からは視認できない低い運転席と凄みのあるエンジン

 直径480mmの大径ステアリングを握る運転席はアイポイントの低い位置にあり、頭上の天井まで広い吹き抜け空間がある。ボディ前方ルーフの角も直視でき、車両感覚が実に把握しやすい。

 既報のエアロキングは運転席の頭上が2階席のフロアで塞がれていて、車両前端のルーフ位置はまったく見えない。

 たとえば路肩の木々にヒットさせないため右車線を走らせる場合、セレガRGJなら、それを目で確認しながら走ることができる。左右のバックミラーには、前後左右4輪の接地位置が比較的に見やすく写し出されており、狭隘路走行でも運転しやすかったのが印象深い。

リアに収まる、これが17L(16740cc)エンジン。このアングルでもV型であることがわかる

 さて搭載エンジンは、当時日野が培ってきた大型車両の主力だったF17D。縦置きV型8気筒OHVのディーゼルターボで、総排気両は1万6745㏄。最高出力は331kW(450ps)を2000回転で発生。最大トルクは1618Nm(165㎏m)で1300回転で発生する。

 回転計のグリーンゾーンは900~1200回転、レッゾゾーンは2400回転から。つい最近まで常識的だったFFシフトの6段マニュアルミッションを操作する感覚に、どこか懐かしさを覚えた。ついでにいうと吹き抜け空間と客席中程に接地されたTVモニターはブラウン管式だった。

 手首の返しで軽く操作できるシフトレバーをセカンドに入れるとコクッと軽いクリックを感じ、やがてその指示を迎え入れてくれるようにもうワンストロークする。サードへのシフト操作もその感覚で、適切な間合いが計れる。ゆっくりと悠長な操作感だが実に小気味良い。

 トルクはとても太く、全回転域に大きな余裕を感じさせる出力特性で頼り甲斐のあるスロットルレスポンスを発揮。ワイドオープンするとその動力性能は侮れないポテンシャルだ。往時のバスが持っていた、凄味のあるエンジンパフォーマンスに感激させられた試乗となった。

【画像ギャラリー】これぞリアル“中2階”のバスだ!!

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。