■アメリカ車はすでに当時からバスでもATが常識だった!!
早速リヤのエンジンルームを拝見。横置きのクランク軸に対して、なんと角度をつけてATを連結。後軸のデフをめがけてドライブ軸が斜めにレイアウトされていた。
エンジンルームは様々な工夫を目にするものだが、こんなものが存在していたとは知らなかった。ちなみに最高出力は170kW(228hp/2100回転)を発生。
運転席に座ると、座面の高いシートが印象的。やはり欧米人との体格差は著しく、最も低い位置にしても足の踵は床から浮いてしまう。
そして握りの細い3スポークのステアリングホイールが巨大だ。計測するとφ530mm。記者の記憶にあるこれまでの最大値はφ480mmである。この大きさは初体験。ロックtoロックも6回転強。そしてノンパワードの「重ステ」である。
鉄板剥き出しのコクピット左側にある、ダイヤルスイッチでイグニッションON。ボタン式のセルスイッチを押すとエンジンはいとも素直に始動。ディーゼルらしさの少ない連続した排気音は2ストロークならではだろう。
異色なのはワイパーがエア圧で動く。作動速度は間欠に至るまで左右独立して無段階調節できる。ウインカーは左足で2個の足踏みスイッチを操作。踏んでいる間だけ点滅するので消し忘れは無い。
手動式同様のドアハンドルで扉を閉じ、右手フロアから伸びるATセレクターをDレンジに入れ左手のサイドブレーキを解除。どれも操作力は重く、作業は順次確実にこなす必要がある。その後は2ペダルATなので基本的な操縦は簡単。
決してパワフルでは無いが、トルコンも含めて発進加速はスムーズ。平地を走る限りそのパフォーマンスに不足は感じられない。
ただ交差点を曲がる時、ステアリングを切りながら徐行すると、操舵トルクが想像以上の重さになる。操舵は遅れ気味になり、その修正でさらに速度を落とすと、指をスポークに引っかけた純手と逆手で添えた両腕で引っ張ることになる。当時の運転手は上腕二頭筋と胸筋がかなり鍛えられたことだろう。
映画の中では高速旋回する際に、主演の男女2人で保舵するシーンがあったが、リアルな表現だったのかも(!?)と思えたのが印象的だった。
【画像ギャラリー】キアヌも乗ったあのバスに試乗!? 1965年式GM・TDH4519は古いながらもやさしさに溢れたバスでした!!(24枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方