■常磐道経由で福島県へ!
出発するとほどなく高速道路へと入る。長町インターからは仙台南部道路を走行し、仙台若林ジャンクションよりいよいよ常磐道へ入る。かかる時間でいえば東名ハイウェイバスの名古屋~東京よりも長く、かなりの長時間乗車となる。
筆者の座席はB列、つまり独立3列の真ん中に座っていたが窓側の乗客がほぼプライバシーカーテンを引いてしまったので、車窓の風景をのんびり楽しむ……ということはできなかった。ただ前方にはカーテンはないため、フロントガラスからの景色だけは何とか見ることができた。
宮城県から福島県へと走行し、しばらく対面通行区間が続く。追い越しができる区間もちょこちょこあるものの、長距離ではないためなかなか速度が一定しない時間が続く。調べてみると常磐道が全通したのは2015年。
その後も車線の増設工事が進んでおり将来的には4車線道路になるようである。なかなかスピードは上がらないものの、渋滞はしていないので順調に走行を続ける。仙台駅東口を出発しておよそ1時間ほどで、最初の休憩地である南相馬鹿島サービスエリア「セデッテかしま」に到着した。ここで約15分の休憩である。
ちなみにこのセデッテというのはこの地方の言葉で「連れて行って」という意味のようだ。エントランスホールにはこの地方の祭り「相馬野馬追」を紹介する展示があり、地元の観光PRもしっかりしていた。外で少し身体を伸ばしてからバスへ戻る。
■放射線量計が設置されていた!
バスはさらに南下を続ける。このエリアに入ると数キロおきに地点ごとの放射線量の電光掲示板が設置されており、東日本大震災の影響がいまだに続いていることを思い知らされた。
目に入った電光板を見ると、0.1~1.9μSv(マイクロシーベルト)で、日本における1人当たりの自然放射線量である年間2.1mSvと比較するとはるかに小さい値だった。
次に休憩場所として立ち寄ったのは中郷サービスエリア。時刻は夕方の16時をまわっていたが、手早く撮影をしてバスへと戻った。サービスエリアにある周辺交通情報によれば、常磐道はこの先で渋滞という表示が出ていたので、大まかな遅延は予測できた。バスもこのまま常磐道を走行するようだったので、ここはしっかりと休息を取った。
■ラストスパートも渋滞との闘い!
最後に停車した3ヶ所目の休憩場所は守谷サービスエリア。既に渋滞区間の真っ只中で、渋滞を避けるため進入路からすでにノロノロ運転が続いた。やっと到着したのは18時30分をまわっていた。この日は土曜日ということもり、駐車場はかなり埋まっていて施設内も夕食をとる人でとても賑わっていた。
運転士からのアナウンスによると、すでに所定より1時間遅れだが、まだ渋滞の途中なので更に遅れが広がると予測された。三郷本線料金所を過ぎるとようやく渋滞も終了した。首都高速道路に入ったバスはそのまま南下して、最初の降車バス停である王子駅前に到着した。
筆者はここで下車したが、バスはこの先池袋・バスタ新宿に向けて出発していった。王子駅前には所定18時13分のところ、渋滞により19時38分到着となり約1時間25分の遅延だった。
仙台から首都圏を目指す、仙台新宿線に乗車したが、非常に需要の高い路線のようで、ほぼ満席に近い乗車だった。また昼行としては上下1便ずつが羽田空港から、夜行のドリームでは羽田空港に加えて成田空港や東京ディズニーランドを結ぶ路線もあり人気も高い。
今回のように乗車日により長い渋滞に巻き込まれることもあるが、常磐道が全通したことにより迂回することができるのはバスならではの臨機応変さだ。また今後の常磐道車線増設が進めば、迂回した場合の時間は計算しやすくなるだろう。
混雑する期間には長距離の渋滞を引き起こす東北道だが、状況を見極め経路を選択できるのは、影響を最小限にするために有効な手段だ。昼行便で独立3列シート、プライバシーカーテン付きという夜行バス級の設備を備えているので、時間はかかるがリーズナブルで3列は快適な路線だった。
【画像ギャラリー】昼行便で独立3列は快適すぎる!仙台から東京は高速バスもアリか?(14枚)画像ギャラリー
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