1960年代に登場した日野 RC・REバス・シリーズ「ブルーリボン」の“できるヤツ”っぷりを当時のカタログで見る

1960年代に登場した日野 RC・REバス・シリーズ「ブルーリボン」の“できるヤツ”っぷりを当時のカタログで見る

 日野RE系はそれまでのRB系に代わり、1968年に登場したモデルで、路線バスを中心としたラインナップだが、高出力エンジンを搭載するRCは高速・観光バスとしても運行され、そのマルチ性を発揮した。

今回の車両:日野 RC・REバス・シリーズ「ブルーリボン」

(記事の内容は、2023年9月現在のものです)
カタログ提供/難波 有
※2023年9月発売《バスマガジンvol.121》『懐かしバスのお宝カタログ』より

■昭和中期の日本で八面六臂の活躍を見せたバス

表紙。某缶コーヒーを彷彿とさせる外国人風男性のイラスト。時代を感じさせるタッチが実にイイ
表紙。某缶コーヒーを彷彿とさせる外国人風男性のイラスト。時代を感じさせるタッチが実にイイ

 カタログではバスの写真以外、人物や情景は力強いタッチのイラストで表現され、日常の通勤運行からレジャーシーンまで、幅広い活躍っぷりをアピールしている。

 ハイパワーのRCには205psを発生するDK20エンジンを搭載。山坂道でもストレスのない走りを実現した。

 ホイールベースはRC300が5.2m、RC320が5.67mの2種類が用意された。一般路線ばかりでなく観光ニーズでも活躍、特に型番末尾に「P」が付くRC300P、RC320Pはエアサス仕様とされている。

 カタログではボディタイプも「P」のモデルは前扉、リーフサス車は前後扉、前中扉、前中広巾扉、前扉を設定。前後扉のワンマン仕様車では定員97名というレイアウトのものもラインナップ紹介されている。

 一方のREは175psを発生する新開発の予燃焼室水平式エンジンが搭載され、ホイールベースはRE100(4.8m)、RE120(5.2m)、RE140(5.67m)の3種類が用意された。エアサス車にはRC同様、型番の末尾に「P」が付く。

 こういった設定のバリエーションにより、RCで36車種、REでは63車種という強力なラインナップとなった。

 トランスミッションは両者ともに4速、5速が用意されたが、オプションでSCG自動変速機を選ぶこともできた。この自動変速機は当時としてはまだ珍しく「ノークラッチ」と呼ばれた時代の2ペダル。ドライバーの負担を著しく軽減させた。またエンジンブレーキの効きにも定評があったようで、安全な減速にも寄与した。

 大型リアアンダフロアエンジンバスという、ノンステが主流の現在ではイメージしにくいレイアウトのバスだ。

 これはエンジンを最後部の床下に配置することで、車内の最後尾まで客室として使用でき、扉から2段のステップを上がったフラットな床が生み出す空間をフルに、自在に使えたということだ。この時代のバスならではのインテリアだ。

 そしてスケルトンタイプボディのHT、HU系が登場するまで、17年間製造された息の長いモデルとなった。

【画像ギャラリー】時代を感じさせるシブいイラストと共にお楽しみください!! 昭和中期の日本を駆け抜けた日野 RC・REのお宝カタログ(11枚)画像ギャラリー

最新号

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

【6月23日発売】巻頭特集は「会津乗合自動車」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン129号!!

バスマガジン Vol.129は6月23日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、会津乗合自動車を特集。同社は福島県の約4割の面積を占める会津地方を営業区域とし、路線は会津盆地の若松・坂下・喜多方を拠点に、平野部の住宅地域から中山間地域へ広がるほか、東部の猪苗代・郡山湖南地区と南部の田島地区にも路線を有している。