代替バスで日帰りできるか
鉄道が廃止されて約8年経った2022年現在も、函館からほぼ同じ経路を辿って江差へ向かい、以前のように問題なく戻って来られるのだろうか。
函館から江差まで直通の路線バスがあるため、普通はそちらを選ぶハズ。しかし、せっかくなので代替バスをアクセス手段に組み込んで昔を懐かしみたいところだ。
あまりにも早朝出発や終バス終電で戻ってくるのは避け、現実的な時間帯で完結できるよう行程を割り出し、現地へ赴いて確かめることにした。
まず函館8:55発の道南いさりび鉄道線の1両編成のディーゼルカーに乗車し木古内へ向かった。所要時間は1時間13分。進行方向左側に海が広がり車窓からの眺めは折り紙付きだ。
10:08に木古内に到着後、江差線代替バスの出発まで59分の待ち。新幹線の木古内駅開業に合わせて駅周辺がきれいに整備され、楽しみながら時間調整できるようになっている。
駅前には道の駅が営業しており、観光案内所、おみやげ売り場、レストラン、トイレ、コインロッカーなども用意され便利だ。木古内駅から5分くらい歩くと浜辺にも出られる。
以前は在来線側から駅舎を正面に見て左側に木古内駅のバスターミナルがあったが、周辺の整備にともない右側にバス乗り場がロータリーごと移転した。
ポンチョが働く!! 江差線代替バス
出発3分前にバスが入線してきた。2011年にマイナーチェンジが行われた日野ポンチョのショートモデルだ。
従来の函館バス車両とは異なり、江差線代替バス専用カラーが施されている。
函館バスは交通系ICカードが使える。後払い方式なのでIC払いを希望する際は乗車時にカードをタッチするのをお忘れなく。
4名ほど乗車し、11:07に発車した。木古内の町を抜け海峡線の踏切を渡り、道道5号「江差木古内線」をバスは進んでいく。
バスのメインルートの約2/3がこの5号線であり、停留所へ立ち寄るため時々ルートから外れて再び5号線に戻るのが大まかな経路だ。
津軽海峡側から日本海側へ内陸部を突っ切って進むため、山の中を縫うように道路が通っている。途中の沿線人口はそれほど多くないようで、車窓からの景色は人工物より緑のほうが圧倒的に多い。
線路のあった路盤と並走する箇所が点在していて、バス乗車中に鉄道時代の遺構が所どころに現れるのも見逃せない。
全区間の走行距離が50kmくらいあるため、ポンチョの路線バスとしては相当長い。それもあってか、40分ほど経った先の経由地「湯ノ岱(ゆのたい)」バス停で数分間のトイレ休憩を挟んだ。
約40km走るといよいよ日本海側に達する。ここで道道5号線が終わり、国道228号線へとシフトする。5号線と228号線の接続地点がラウンドアバウトになっているのが面白い。
途中「江差ターミナル」というバス停を通る。ターミナルと付くだけに街の中心部だろうと思いきや、市街地から3kmほど離れている。ここで下車すると「罠」というほどではないが健康ウォーキングが少々追加されてしまう。
代替バスはJR時代の江差駅前は通らない。「南が丘通り上り口」が最も違い停留所にあたる。
ただしJRの江差駅も市街地から1km離れた場所にあったので、街の中心まで行ってくれる現在の代替バスでは、もうしばらく乗っておくほうが観光に好都合である。
旅行者的に少々戸惑うのが、「江差」と名のつくバス停が街の中心部に1つもないことだ。目視で外の様子を確認しながら、おおむね間を取ったあたりと思われる12:40着の「橋本町」バス停で下車した。
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