■サンライズの寝台券を確保せよ!
サンライズ出雲は東京を出発する下り列車の場合、高松行きのサンライズ瀬戸を下り方前方に併結しており、後方7両のサンライズ出雲とともに合計14両で運転される。どちらも7両編成の同じ仕様の車両で、岡山で分割されてそれぞれの目的地に向かって走る。
基本は個室寝台で、普通車指定席扱いのノビノビ座席を除いて、乗車するには乗車券と特急券・寝台券が必要だ。閑散期はともかく、繁忙期の寝台券の確保はなかなか難しい。
1か月前の午前10時に全国で一斉に発売されるので、みどりの窓口に出向いて「打ち出し」(午前10時ジャストに指定席を管理するホストコンピューターに端末から座席を要求するいわゆる「10時打ち」のこと)を依頼しなければ確保は難しい。
昨今はみどりの窓口を閉鎖して指定券券売機を設置していて、繁忙期に思ったように指定券が買えず問題になっていたが、寝台券は指定席券売機では購入できないので、基本的にはみどりの窓口に並ぶ必要がある。
旅行会社でも買えないことはないが、打ち出しをするには午前10時前に端末の前でセッティングのうえでスタンバイをしなければならない。よって10時開店が多い旅行会社で繁忙期に寝台券を手に入れるのは現実的ではない。
■乗り鉄さんに相談!?
サンライズの部屋は一人用と二人用に分かれる。まず一人用はB寝台として最も安いが室内で立つのは難しいソロ、ソロより1000円程度高いが室内で立てる最も部屋数が多いシングル、補助ベッドで2名まで利用できるシングルツイン、そして唯一のA寝台であるシングルDXがある。
二人用はB寝台のみで、シングルツインに補助ベッド料金を足して2名で利用するか、2つのベッドが並んだツインルームであるサンライズツインかの選択になるだろうか。
パワースポットめぐりの女子会等で人気があると報道されるのはサンライズツインで1編成に4室しかない。サンライズツインはダブルデッカーの1階にある。ちなみに2階は一人用のA寝台個室が6室並ぶ。二人用であれば文句なしのプレミアムチケットがサンライズツインだ。
ゲットするならば、お近くに乗り鉄さんがいれば相談してみよう。間違ってもオークション等のダフ屋から購入してはいけない。相談した乗り鉄さんが百戦錬磨のスキルやネットワークを持っていれば、それらを駆使して全国で打ち出しを敢行してくれるかもしれない。
■経路上ではない駅がねらい目か?
東京から東海道・山陽・伯備・山陰線を経由するサンライズ出雲は、その経路上周辺の駅では買いたい(乗りたい)人が多く、窓口に並ぶ競争率は高くなりがちだ。経路上ではない全く関係のない地方の方がみどりの窓口に並ぶ人も少なく、1番乗りには比較的有利だ。繁忙期に待機列2番ではプレミアムチケットはまず取れない。
10時ちょうどに端末の発信ボタンを押すには発売前に待機列の1番に並んで、端末の寝台券要求設定を済ませておかなければならないからだ。年末年始のJR東日本の減らされたみどりの窓口設置駅には、年末年始に一時的に全車指定席となった「のぞみ号」を求める人も相まって、始発電車で到着しても待機列1番を取れるかどうかわからない状態になっていた。
駅員を相当数出して待機列の整理に当たっていたが、そもそも端末が2つか3つしかないので焼け石に水だ。繁忙期のサンライズを狙う人は端末の前に1番に並ばないと、取れないどころかすでに不戦敗だ。1秒未満で決着がついてしまうのが、1編成に4室しかないサンライズツインと6室しかないシングルDXなのだ。
記者自身はJR東日本の駅で窓口に到達するまでもなく完全に不戦敗だったが、スキルの高い乗り鉄さんネットワークが動いてくれて、幸運にも往復分のサンライズツインを取ることができた。
不戦敗を覚悟した記者の方は、サンライズツインは乗り鉄さんのネットワークに託して、JR西日本のe5489サービスでシングルツインの打ち出しを行った。スマホの時計と日本標準時との誤差をWEB上で確認して午前10時にシングルツインを要求。
e5489のサービスは人数を入力してはじめて座席を確保する仕様なので、あらかじめどんな画面が出てくるのかを閑散期にシミュレーションしておく必要があるが、シングルツインは取れた。
しかし数秒後に九州のみどりの窓口でサンライズツインが取れたことの報告が来たので、確保したシングルツインはマルス(指定席を管理するホストコンピューターのシステム)に戻した。
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