毎年恒例の鉄道やバスのダイヤ改正の季節がやってきた。今年のダイヤ改正で注目なのは、やはり北陸新幹線の敦賀延伸だろう。テレビや新聞などのニュースでその賑わいが大々的に報じられたが、敦賀延伸開業直前の様子を沿線のバス事情を含めてレポートする。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
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■しらさぎ号「金沢行き」最終日!
ダイヤ改正、つまり敦賀延伸開業の前日に筆者は名古屋駅から特急しらざぎ号に乗車して北陸を目指すことにした。ダイヤ改正を翌日に控え、しらさぎ1号は7時50分発と早い時間ではあるが、ホームは乗車する人や撮影をする人で混雑し始めていた。金沢行きという表示もこれで見納めである。
定刻に出発した列車は一路北陸を目指して順調に走行していく。米原で進行方向が変わるため座席の回転を行う景色も未だ健在である。名古屋駅を出て約1時間半で福井県に入り最初の停車駅である敦賀に到着した。
筆者はここで下車し、駅周辺を見て回ることにした。降り立ったホームには撮影のため多くの人がいて列車の姿や今日で見納めとなる駅名票、時刻表などをカメラに収めていた。
明日からは在来線ホームは第3セクターへと移管され新会社「ハピラインふくい」の列車が発着するため、名古屋からのしらさぎや大阪からのサンダーバードは新幹線駅下の特急ホームから発着するので、しらさぎ号がやってくることはないホームになる。
駅の外へ出ると延伸開業を迎え、駅や周辺はお祝いモードとなっており、駅前道路にイベントのためのテントが立てられるところだった。
■エアロミディが!
駅ロータリーには通常通り路線バスやタクシーが行き交っていたが、小さな観光バスがやってきた。側面には「ぐるっと敦賀周遊バス」と書かれており、宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999のイラストが描かれている。
これは敦賀市内の観光名所などを巡るバスで、敦賀駅を起点として運行されている。イラストは1999年の敦賀港開港100周年を記念して、駅前通りなどにブロンズ像を設置したことから関係が続いているということらしい。
ちなみに観光周遊バスというと、事前に予約を行いガイドが案内するという形をイメージしてしまうが、「ぐるっと敦賀周遊バス」はもっと気軽に利用してもらうために観光ルートという市内の観光名所を巡回する路線と、ショッピングルートというお買い物を楽しめるように市内の物産店などを回る路線が運行されている。
路線バスのような感覚で利用することができ、運賃は1乗車200円で1日フリー券は500円と利用しやすい。新幹線延伸開業に合わせてダイヤ改正も行われたので、敦賀での観光に利用してみてはいかがだろうか。
■トレインパーク白山にはバスで5分!
次に降りたのは石川県にある加賀笠間駅である。金沢駅からだと約15分という距離だ。この駅もJRとしては最後で、新幹線開業とともに第3セクター「IRいしかわ鉄道」となる。ここからバスに乗り換えて5分で着いたのは白山市立高速鉄道ビジターセンター「トレインパーク白山」である。
ここはJR西日本白山総合車両所に隣接する施設で北陸新幹線について学ぶことができたるほか、運転シミュレーターやこどもあそびエリア、また館外には白山総合車両所に留置されている車両や走行する新幹線を眺められる展望エリアに、お土産店も備わっているという、1日遊んで楽しめる施設だ。
入口で入館の手続きを済ませると、まず1階には「新幹線 学びと体感エリア」がある。新幹線の歴史や技術、安全性能についての展示があるほか、より実物に近い運転シミュレーター、そして隣接する白山総合車両所の仕事や役割についての展示もある。
個人的に面白かったのは車内の扉上に列車名や停車駅を表示するLEDパネルがあるが、あれを手元のモニターで自由に設定して実際に表示させる装置があり、いろいろなパターンが試せた。
またグランクラスの座席が展示されていて、自由に座れるようになっていた。料金がグリーン車よりも高いということで、なかなか座ることはできないのでみんなが入れ替わり座って記念写真を撮る様子が見られた。
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