必勝の神様は休日にバスがなくて到達困難だが……ご褒美は地元民御用達の焼き肉だと!?

■「たけちゃんハートバス」はハイエース!

三重交通カラーのハイエースがやってきた!
三重交通カラーのハイエースがやってきた!

 「たけちゃんハートバス」は基本的にハイエースでやってくる。三重交通が受託しているので、ハイエースでも三重交通カラーなのがすごい。運賃は行先別だが基本的には200円で、降車地を伝えて支払う。なんと運転席側がロングシート仕様なのでハイエースでも乗降は比較的楽にできるようになっている。

ハイエースの運転席側はロングシート!
ハイエースの運転席側はロングシート!

 平日のみの運行なので、乗車は多くなかったが付近に鉄道はあっても駅はなく、バスがなくなれば移動の手段は自家用車に頼らざるを得ない地域のようだ。松浦武四郎記念館バス停で下車してハイエースを見送ってから小野江神社に向かう。境内は広くなく鳥居を目印に行けばすぐにわかる。

■小野江神社

松浦武四郎記念館バス停でハイエースを見送る
松浦武四郎記念館バス停でハイエースを見送る

 小野江神社の創建は不明で、明治時代に地域の神社を合祀したこともあったようだが、それぞれの地域で氏神様をお祀りする機運が高まり、最終的に昭和26年に分祀して現在に至る。主祭神は「正勝吾勝勝速日天忍穂耳命(まさかあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと・アメノオシホミミとも言われる)」でお祀りする神社がないわけではないものの、主祭神としてお祀りする神社は多くはない。

 誕生の詳細は記紀に詳しく書かれているが、簡単に説明するとアマテラスオオミカミとスサノオノミコトとの間で行われた誓約(うけい・結果を予言して行う占い)により、アマテラスが身につけていた勾玉をスサノオがかみ砕いて誕生したのがアメノオシホミミである。

 余談ながら、この逆のパターンである。スサノオが身につけていた剣をアマテラスがかみ砕いて誕生したのがいわゆる宗像三女神で、宗像大社や厳島神社でお祀りされているのが代表的だろうか。

小野江神社の参道
小野江神社の参道

 必勝の神様とするのには理由がある。御名の前半部分である「正哉吾勝勝速日」は誓約で勝利宣言を行った言葉だからだ。「まさしく立派に私は勝った」という意味である。このことから勝利や運向上の御神徳があるとされる。

 同社は神職常駐だが、常時社務所が開いているわけではないので、御朱印や授与品を受けたい場合や、正式参拝や御祈祷を希望する場合は、あらかじめ電話で申し込んでおくと良い。同社の御朱印は御朱印帳があれば直書きで授与される。特に勝負事や必勝祈願、運気向上の御神徳を得たい方は参拝を計画すると良いだろう。

小野江神社の拝殿は正式参拝や御祈祷で入ることができる
小野江神社の拝殿は正式参拝や御祈祷で入ることができる

 伊勢中川駅からは平日のみ、休日も含めて松阪駅や津駅からは乗り継ぎが必要で決して便利な地とは言いにくいが、旅行者が「遠くから」「わざわざ」「そのために」来てくれたのであれば神様も歓迎してくれることだろう。

■焼肉「ロンドン」

まさに地元御用達の雰囲気漂う「ロンドン」
まさに地元御用達の雰囲気漂う「ロンドン」

 前述した天白(回転場)付近にロンドンという地元民御用達の焼き肉店がある。ランチ営業もしているので、参拝の前後で都合の良い時間帯で昼食を取ることができる。しかも安いので旅行者にはありがたい。

天白バス停からすぐ近く
天白バス停からすぐ近く

 旅行者であればやはり松阪牛を食べたいところだが、松阪でしか食べることができない松阪牛のホルモンは安くて甘くてお勧めだ。また松阪独特のミソダレもかなり美味しいので、選べるメニューがあれば注文しておきたい。

ミソダレが松阪流で美味い!
ミソダレが松阪流で美味い!

 バスのダイヤを見てからの食事になるだろうが、三重交通の津三雲線は概ね毎時1本あるので、津駅からまたは津駅に戻るのであれば比較的ゆっくりとできるのではないだろうか。小野江神社からの往復どちらで立ち寄るにしても、まずはバス停で時刻を確認してからだ。

次ページは : ■あなたのパワースポットを探そう!

最新号

【12月20日発売】巻頭特集は「岩手県交通」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン127号!!

【12月20日発売】巻頭特集は「岩手県交通」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン127号!!

バスマガジン Vol.127は12月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、岩手県交通を特集。続く特集では、バスの用品やパーツなどを開発している企業とアイテムを紹介する[バス用品探訪]ではバスの交換用ヘッドライトを紹介。そしてモノクロページの特集で注目していただきたいのが、[絶滅危惧種になっているアルピコのバス]だ。そして後半カラーでは、本誌の強力な連載[終点の情景を求めて]に注目。今号は京都京阪バスの「猿丸神社」を訪ねる。