バスもコロナに備えろ!! 日本バス協会が事業者向けの指針を発表


 コロナウイルスの影響で多くの事業者が営業自粛を続けており、経済的な負担がかかってくる方も多い。そんななか、バス事業者は乗客の需要がないのに運行を続けないとならない「公共交通としての使命」がある。

 しかし乗客はもちろん、バス運転士、そして整備士などバスに関わるすべての人をコロナウイルスから守る必要性もでてきた。

 そこで公益社団法人日本バス協会が「バスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を2020年5月14日に発表した。

 いったいどんな内容なのか、公式発表を基に見ていこう。

文:ベストカーWeb編集部/AdobeStock


■飛沫への接触を極限まで減らす工夫が満載

密室空間になりがちなバス車内。乗客、そしてバス運行に関わる人のために多くの施策が必要となった(oka-stock.adobe.com)

 コロナウイルスは飛沫からの感染が確認されており、感染者の飛沫に触れた手で口や鼻、目などに触れることで感染すると考えられている。

 いわゆる「3密」を避けて、うがい、手洗い、そしてマスク着用といった感染予防策はすっかり定着したように思える。

 しかしバスの場合、常に第三者と乗合いになること、そしてライフラインとして「不要不急ではない」利用が多いこともあり感染リスクが低いとは言い切れない。それでもバスは公共交通としての使命で運行を続けている。

 では実際に日本バス協会が発表したバスでの感染予防策はどのようなものだろうか。実際の文書から抜き出してみた。

(7)車両・設備・器具

・ ドアノブ、電気のスイッチ、階段の手すり、エレベーターのボタン、ゴミ箱、電話、共有のテーブル・いすなどの共有設備について、洗浄・消毒を行う。

・ 車両点検用工具などの共用器具については、工具等を使用した際は、こまめに手洗い手指消毒を行うよう努める。

・ 事業用自動車内の座席やつり革、手すり、防護スクリーン、タブレットなど、乗務員や不特定多数の利用者が頻繁に触れる箇所については、こまめに消毒を行う。また、座席に掛ける布については、定期的に洗濯する。
※設備や器具の消毒は、次亜塩素酸ナトリウム溶液やエタノールなど、当該設備・器具に最適な消毒液を用いる。

・ ゴミはこまめに回収し、鼻水や唾液などがついたゴミがある場合はビニール袋に密閉する。ゴミの回収など清掃作業を行う従業員は、マスクや手袋を着用し、作業後に手洗いを徹底する。

・ 運転に支障がない場合は、運転席及び運転席と後部座席の間に防護スクリーンを設置すること等により、乗客と乗務員の飛沫感染を防止するよう努める。

 やはり肝となるのは徹底した洗浄と消毒だ。そしてバス事業者ならではの工夫が最近のバスで見られる「防護スクリーン」の設置。ビニールカーテンで直接飛沫が飛ばないようにという工夫だ。

 安心したバスの環境整備のために多くの工夫が見られる。

■ドライバーの検温と車内換気の徹底も盛り込まれる

安心してバスに乗れる日々が戻るためにも乗客ができることは徹底して行いたい(peach100-stock.adobe.com)

 ドライバーを感染から守る対策とともに、万が一ドライバーから乗客への感染を食い止める努力も実施されている。

 実際のガイドラインを今度は運転者目線で見ていこう。

(8)運転者に対する点呼

・ 疲労、疾病等を報告させる際には、体温測定の結果を報告させることによる体調の確認を行うこと等により、健康状態を確実に把握するとともに、発熱やせき等の症状があることが確認された場合には、自宅待機とする。

・ 始業点呼時に、マスクの着用や手洗いの励行等の感染予防対策が取れていることを確認する。

・ 酒気帯びの有無の確認において使用するアルコール検知器については、こまめに除菌3することや携帯型アルコール検知器を活用する等複数の検知器を使用すること等により感染防止を徹底する。

(9)運行中

・ 乗務員は、運行中はマスクの着用を徹底する。

・ エアコンによる外気導入や窓開け等の車内換気を行うとともに、車内換気を行っていることを表示する等により、乗客が安心して利用することができるように配慮する。

・ 乗客の降車後に、窓を開けて換気する等の車内換気に努める。

・ 利用状況を踏まえ、バス車内の一部の座席の使用を禁止することや続行便を運行すること等により、乗客と乗務員や乗客同士の間隔を空け、乗客と乗務員が安心できる車内環境を確保するよう努める。

・ 運賃・荷物の受け渡し、荷役等において、マスクや手袋を着用するとともに、書類の受渡しや荷物の積み卸しの際には、相手先との直接接触を減らすよう努め、荷積み前や荷卸し後は車内の消毒を行う。

・ 乗務員に対し、乗務中に発熱や体調不良を認めた時は運行管理者に連絡を入れることを徹底するとともに、乗務を中止させる。

 こちらでは体調管理として検温の実施や自宅待機の基準をはじめ、走行中の換気などについて触れている。

 近年のバスは窓が大きく開かない車種もあるが、ベンチレーターなどからも走行風を取り入れることで車内の空気は循環する一定の効果はあるはずだ。

 感染者数こそ落ち着いてきているものの、まだまだコロナウイルスとは長い付き合いになりそうだ。公共交通を守るバス事業者の皆さんのためにも、利用者もぜひ手指消毒やマスク着用を徹底して利用したい。