このロケーションでこの事業者のバスが見られる!! オリンピックのスケールの大きさを実感
東京2020開会前となる7月上旬のある日、平時は若洲キャンプ場前と新木場駅を経由して東陽町駅(木場駅前、新木場駅前行もあり)とを結ぶ、東京都交通局の“木11甲”系統の路線バスぐらいしか走っていない、“東京港臨海道路 新木場若洲線”なのだが、その日は多数の事業者の貸切バスが走っていて驚いた。
すでに若洲のデポに遠隔地などから貸切バスが集まっていたのである。
東京2020開会直前にも若洲のデポへ様子を見に行った。若洲デポは敷地が広いのだが、敷地内には数多くの貸切バスが停まっていた。敷地内にはもちろん入ることはできないので、フェンス越しに様子を見ても、見慣れないカラーリングの貸切バスが多数確認できた。
九州にある事業者のバスが5台並んでいるなど、とにかくデポ内のバスを見ていると、バスファンなら一生に一度の風景、と興奮を押さえきれないだろう。まお、関西地域の貸切バスがとくにカラフルなのが印象的であった。
東京ゲートブリッジにつながる新木場若洲線沿いの歩道からデポの様子を見ていたのだが、ふと新木場若洲線沿いに目を向けると、東京ゲートブリッジを渡ってデポへ向かう貸切バスが列をなしてやってきた。その貸切バスの列を見た時は、いちバスファンとして思わず舞い上がってしまった。
とにかく若洲のデポ周辺ではデポ内はともかく、デポから出庫するバス、そしてデポへ入るバスなどで、周囲も貸切バスで溢れていた。外気温度がすでに30度を超え、ギラギラと太陽が照り付ける酷暑の日々であることも忘れてしまうほどの風景だった。
若洲デポは新木場若洲線を挟み、若洲ゴルフリンクの対面にあるのだが、関係者輸送用バス専用の給油及び洗車施設が東京ゲートブリッジ下、若洲公園キャンプ場近くにある。
新木場方向から向かい、東京ゲートブリッジを渡らずに側道に入り、この施設にバスが向かうので、この側道でも多くのバスを見かけることができた。
オリンピック開催によって各地の貸切バスが集結し、都内を走り回るという滅多にない経験をさせていただき、バスファンのはしくれである記者はいわば“ファンの責務”として見届ける必要があると、勝手に使命感も持ってデポへ出かけた。
日にちを変えて改めて築地のデポへも向かった。しかしすでに、築地市場跡は高い塀で囲われており、デポ内をうかがうことが不可能になっていた。
さらに、選手村に近い出入口が“環二通り”沿いにあるのだが、現在環二通りの歩道は通行禁止となり、迂回歩道が用意されているので出入口近くまで行くことができなかった。若洲デポのほうがバスファンの満足度が数段高いことは記者が確認してきた。
コロナ禍で大きな経済的損失を負った観光バス事業者にとって、今回の東京オリンピック・パラリンピックの輸送事業の受託は、大きな収入にもなっていることだろう。
8月下旬から開会するパラリンピックに合わせてリフト付きバスも集まるということなので、バスファンにとっての“東京の熱い夏”はまだまだ続きそうである。