弘南バスは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で運休中の五所川原・弘前~東京・横浜線「ノクターン号」の運行を2021年12月2日(木)から、横浜・新宿発は3日(金)から再開し、11月13日( 土 )より予約受付を開始する。また路線愛称を「ニューノクターン号」に改称の上で「バスタ新宿」に乗り入れる。
文 :古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】何がニューになる?弘南バスのニューノクターン号が愛称変更して12月2日より運転再開!(3枚)画像ギャラリー夜行高速バスの草分け的存在のひとつ
昭和の時代に大ブームを起こした夜行高速バスだが、西では残念ながら廃止されてしまったが西日本鉄道と阪急電鉄(当時)が大阪-福岡のムーンライト号を開設し大成功。東日本では弘南バスと京浜急行がノクターン号を開設し東西の長距離夜行高速バスブームの火付け役になった。
当時は定期運行するには需要が読めないが帰省シーズンであれば乗ると判断した事業者では会員を募ったうえで「会員バス」として貸切バスを投入し帰省客を波動輸送していた。
運賃の安さと乗り換えなしで大都市から地方都市にダイレクトで移動できることから、帰省シーズンに新幹線の指定席やブルートレインの寝台券を取るのが至難の業であった当時は路線開設ラッシュになった。
やがて定期運行しても需要があることが分かり、事業者はトイレやドリンクサービスを提供するための専用車両を導入し、まだ携帯電話が普及していない時代に自動車電話網を活用した公衆電話まで設置して設備やシートで競い合った。
車両もハイデッカー4列シートからスーパーハイデッカー3列シートが主流になり日本全国が高速バスでにぎわった。ノクターン号はその波を作り出して1986年(昭和61年)に運行を開始した。
何が「ニュー」なのか?変更点をチェック!
「ノクターン号」から「ニューノクターン号」への主な改正点は次の通りだ。「バスタ新宿」に新規乗り入れ、五所川原・弘前~新宿・横浜にルートを変更する。これにより浜松町・品川経由を廃止し、東京側は1系統で新宿経由横浜行きまたは横浜発新宿経由弘前・五所川原行きになる。
インターネット予約時に希望の座席を選択可能になる。路線愛称を「ニューノクターン号」に変更。京浜急行バスが撤退し、弘南バスの単独運行に変更する関係で京浜急行バスの予約センター・窓口・公式サイトでの予約と発券の取扱いは終了する。