西鉄バス北九州は北九州市と連携し、2022年2月28日までの間、北九州の2大ビュースポットである皿倉山tと和布刈(めかり)への回遊を向上させる取り組みとして新路線の期間限定運行および既存路線の増便、ラッピングバスの運行を行う。
この取り組みは、観光庁の補助事業を活用した実証運行だ。詳細を見てみよう
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】西鉄バス北九州と北九州市が夜景バスを実証運行開始!記者厳選の観光スポットも紹介(11枚)画像ギャラリー「皿倉山夜景」バス
まずは皿倉山夜景バスだが、北九州市の最高峰である皿倉山はとうきょうスカイツリーとほぼ同じ高さで、ケーブルカーもある。北九州工業地帯を望む夜景はなかなかのもので、昼間は地図通りの地形がはっきりとわかるのも楽しさのひとつ。
バスの運行期間は2021年12月17日~2022年2月28日で、運行ルートは砂津~小倉駅バスセンター4番のりば~(都市高速)~高速皿倉山ケーブル~引野口だ。
なお皿倉山ケーブルカーが運休の場合と、毎週火曜と大晦日・元旦は運休する。運行便数は3往復6便で、運賃は小倉から皿倉山ケーブルまで530円、引野口から皿倉山ケーブルまで260円。
小倉駅での乗車は小倉駅バスセンターで、降車は新幹線口なので注意が必要。市外からの新幹線利用者の利便を図ってのことだろうが乗降地が違うのはわかりにくいし、夜景を見た後の時間帯は果たして新幹線で帰る時刻なのかは疑問だ。
ただし途中の三萩野や平和通りに停車しないようなので、都市高速を小倉駅北まで乗るルートなのであれば仕方がないのかもしれない。また高速皿倉山ケーブル停留所は都市高速上の本線バスストップなので始終点にするわけにはいかない。
しかし、黒崎インター引野口発着ではなく西鉄黒崎バスセンター発着にすれば北九州市民の利便も向上するし、福岡方面からJR接続での利用も見込めると思われる。
もっとも福岡市からであれば通常路線の高速バス「いとうづ号」や市内都市高速経由の路線バスも高速皿倉山ケーブルには停車するので、JRとの接続を考慮する必要がなかったのかもしれない。また新宿線高速バス「はかた号」も停車するので引野口は東京直結でもある。
門司港駅~和布刈間の臨時バス
門司港駅~和布刈間の臨時バスの運行は、2021年12月17日~2022年2月28日までで、運行ルートは門司港駅~和布刈(74番と同じルート)、運行便数は12往復24便。通常定期便11往復22便と合わせて計23往復46便になる。運賃は230円で、年末年始(12月31日~1月3日)は運休する。
めかり公園から見る関門海峡や関門橋は素晴らしく、関門人道トンネルを通れば歩いて下関側に渡ることもできる立地だ。
ただし、わざわざここを目的地として観光客が行くとは思えず、関門橋経由でめかりPA(降車観光)・下関駅・壇之浦PA(降車観光)等の立体的なルートで回遊をしてもらわないと関門海峡の魅力を伝えきることができないのではないか。
門司営業所担当のふくふく号の下関への回送を旅客便化する等でトップドア車で運行はできよう。ただし北九州市が入る事業なので下関市に行くわけにはいかないのだろうし、下関市内を走ればサンデン交通との兼ね合いもあり、現実的には難しいところでもあるのだろう。