九州急行バスが運行する高速バス「福岡~長崎線(九州号)」は、2022年8月1日(月)より運賃値上げを実施する。普通運賃から回数券まで幅広く値上げされる予定で、コロナ禍がひとつの要因としている。
だが、この地域にはまもなく開業予定の西九州新幹線が存在する。値上げする高速バスの運命やいかに!?
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】九州急行が8月1日から運賃値上げ!西九州新幹線との関連か?(3枚)画像ギャラリーバス運賃値上げのワケはコロナ……!?
発表によると運賃値上げの理由は「新型コロナウィルス感染症の影響をはじめ、さまざまな環境変化を受け、同社は非常に苦しい状況が続いております。収支改善を図り、路線を維持していくため、片道乗車券や各種割引乗車券の値上げを実施させていただきます。 」としている。
西九州新幹線の暫定開業をひかえ、新幹線と一騎打ちになる「九州号」だが、割引運賃を含めて値上げに踏み切った。福岡-諫早・長崎間の概要は次の通り。
片道運賃は2620円から2900円になり280円の値上げ。往復・ペア乗車券は5400円になり600円の値上げ。4枚回数券は10000円になり1100円の値上げ。WEB版4枚回数券は9000円になり500円の値上げとなる。WEB版の4枚回数券は1枚当たりの値上げ幅としては最も小さい125円だ。
また片道運賃でもっとも値上げ額が高いのは高速基山-大村インター間の+350円になっている。
旅客動向は変わらないと予測
国土交通省は新幹線の整備による鉄道需要の変化についての予測を公表している。それによると、西九州新幹線の暫定開業がない場合(現状)の西九州-福岡間の各輸送機関の割合について航空0%・鉄道9%・バス4%・船1%・自動車85%としている。
これは鉄道での長崎-博多間を1時間48分、西九州から福岡への移動を1日当たり1万1600人として予測したものであある。
一方で、西九州新幹線が暫定開業した場合の予測として、同じく西九州-福岡間の割合は、航空0%・鉄道12%・バス4%・船1%・自動車82%としていて、バスの需要は変わらないとしている。この場合の長崎-博多間の所要時間は1時間20分、1日当たりの流動を1日当たり1万4900人としている。
つまり西九州-福岡については自動車での移動のうち、割合にして3%が鉄道に移ると予測しているようだ。西九州新幹線開業後の勢力図がどうなるのか、興味深いところだ。
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