ついに路線廃止のゆのくに号!!  運行休止中のまま廃止の衝撃

■対北九州は難しい?

 福岡県での目的地や最終到着地としての北九州市の地位は非常に低く、やはり福岡市でないと乗らないという現実が表れた形だ。

キャンペーンの内容を窓に貼って宣伝はしたものの…
キャンペーンの内容を窓に貼って宣伝はしたものの…

 現在、北九州市を発着、もしくは経由する西鉄が運行や運行支援に関与するの定期の高速バス路線は非常に少なく、福岡、福岡空港、北九州空港、長崎、東京、名古屋、岡山だ。先日、鳥取線が廃止されたので夜行便は東京・名古屋・岡山だけだ。

 九州島内で福岡県外に出ることができるのは、長崎県営バスが運行する長崎行きのみという状況で、本州方面はすべて福岡市からやってくる路線が北九州市を経由する形だ。

 西鉄バス北九州が路線廃止を正式にアナウンスしたことで、同社が単独で運行する定期都市間高速バス路線は消滅した。

■問題の根本は運転士不足

 実際には運転士不足が最も深刻な問題なのだろうが、すでに運休をしていて事実上の廃止路線をわざわざ正式に廃止発表するのは、同社の危機感の表れではないだろうかと予測する。西鉄バス北九州に限らず多くの事業者が同じ悩みを抱えている。

各都市へ高速バスで結ばれている大分
各都市へ高速バスで結ばれている大分

 根本的な解決策は運賃値上げによる運転士の待遇改善と、運賃値上げに見合う旅客サービスの向上だが、すでに身の回りの多くのものが値上げラッシュであることはご承知の通りだ。バス運賃もご多分に漏れず値上げラッシュの最中だ。

 これによりどこまで改善されるのかは未知数だが、経済再生がおぼつかない中での物価上昇は消費を押し下げてしまうことにもなりかねず、頭の痛い問題だ。バス事業者だけではもはやどうすることもできないのは明らかで、政治や行政の制度的あるいは構造的な改革や後押しも今後は必要になるだろう。

【画像ギャラリー】西鉄バス北九州「ゆのくに号」が正式に路線廃止を決定!(2枚)画像ギャラリー

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。