西鉄バス北九州が単独で運行する高速バス「北九州-大分線・ゆのくに号」が、緊急事態宣言明けで運行を再開したことを記念して、「おとくに、ゆのくに。小倉⇔別府復活キャンペーン」を実施する。画像ギャラリーでは別府の地獄蒸しプリンや、文化財指定の市営温泉等の写真を掲載しているので合わせてお楽しみいただきたい。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
【画像ギャラリー】「ゆのくに号」復活キャンペーンで別府観光!文化財指定の市営温泉や地獄蒸しプリンのギャラリー(12枚)画像ギャラリー福岡-大分は鉄道との争いの歴史
福岡市から別府または大分市への移動はJRの特急列車か大分自動車道を経由する高速バスかの選択が一般的で、双方で火花を散らす。JRは特急ソニックが鹿児島本線・小倉・日豊本線を経由して大分に至るので北九州市をカバーするものの、福岡市からは遠回りなので振り子電車を導入する等してスピードがウリだ。
一方で高速バスは九州自動車道から大分自動車道へと直通し、距離的なアドバンテージがあり時間は鉄道とほとんど変わらない。そうなればJRは特急列車の割引乗車券を発売して対抗し、お互いに譲らない状況だ。
北九州-大分でも高速バスを開設したのだが…
鉄道では北九州を経由地としてカバーするが、高速バスは北九州を経由しない。そこで西鉄バス北九州では東九州自動車道の供用に合わせて自社路線として大分側3社と共同運行で「ゆのくに号」を開設した。しかし北九州-大分では所要時間でJRに全く歯が立たず苦戦した。
所要時間の短縮は見込めない代わりに北九州市内の経路を変更して小倉北区の商業地のみならず小倉南区のベッドタウンも丹念に拾っていく作戦で対抗し、さらに破格の運賃で利用を促したが利用は伸びなかった。
覚悟の復活宣言か?
そして大分側3社が「ゆのくに号」から撤退し、西鉄バス北九州の単独路線として現在に至る。度重なる緊急事態宣言でも福岡-大分の「とよのくに号」は特別ダイヤを編成して運行を続けたものの、「ゆのくに号」は長く運休していた。そして10月29日よりダイヤを改正したうえで運行を再開した。
改正ダイヤでは1日2往復まで減便。北九州からの往復利用を前提にしたようなダイヤで午前中に北九州発2便、午後に大分発2便となった。運賃は北九州地区から別府・大分地区まで片道1700円とJRの普通運賃よりも安い。
なお運賃の支払いは現金のほか、SUNQパスでも乗車できIC乗車券での利用も可能だ。また予約も不要なので近距離高速バスと同様にバス停で待ってそのまま乗ればよい。