西日本鉄道では、高速バス 福岡~長門湯本温泉線(おとずれ号)において、11月17日~19日、12月8日~10日の計6日間限定で、福岡~東京線(はかた号)の車両による特別運行を行う。4000円ではかた号車両に乗車できるチャンスだ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■はかた号仕様エアロクイーン
2022年7月に運行を開始したおとずれ号は、福岡(天神)と長門湯本温泉を片道約2時間45分で結ぶ高速バス路線だ。通常は4列シート(40席)のハイデッカー車両で運行しているが、はかた号の車両は1席ずつ独立した横3列のビジネスシート(18席)に加え、はかた号にしかない個室のプレミアムシート(4席)を配置した特別仕様のスーパーハイデッカー「エアロクイーン」だ。
特別運行の特典として全員に、長門湯本温泉街限定の「恩湯ロゴ入りタオル」をプレゼントする。さらにプレミアムシートを利用した場合は、長門湯本温泉街の各施設で使える「そぞろ歩きっぷクーポン(最大2500円相当分)」もプレゼントされる。
西鉄のはかた号は言わずと知れた「キングオブ深夜バス」の称号をほしいままにした伝説の路線である。現在の車両は三菱ふそうのスーパーハイデッカーであるエアロクイーンだ。本務車両を使用するのか予備車両を使用するのかはわからないが、いずれにしても中距離にしては破格の車両だ。
■気になる運賃は?
スパーハイデッカーで行く長門湯本温泉の気になる運賃は、なんとビジネスシート(独立3列)であれば同額だ。通常運賃は片道4000円だが、ビジネスシートであれば同額で往復割引も適用されるので往復で乗れば7000円である。
もっと気になるプレミアムシートはというと、こちらは片道7000円だ。往復割引の設定はないので、運よく往復取れれば14000円という計算になる。しかもプレミアムシートには最大2500円相当のクーポン券が付いてくるので実質片道4500円で乗車できることになる。
■よく考えられた振興策?
通常40席のハイデッカー車で運行される中距離高速バスを22席のスーパーハイデッカーで運行すると、定員は約半分になってしまう。天神で乗車率を調査したわけではないが、おそらく22席でも大丈夫だと判断した結果なのだろう。それゆえの路線振興策だと判断しても大きな間違いではないだろう。
九州島内の高速バスは元々、3列車が多かった。九州昼行仕様と呼ばれるほど1+2の3列シート車が多く投入された。鉄道対抗とはいえ、それが高速バスの人気の理由の一つだったといっても過言ではない。
最盛期には在来線・新幹線と三つ巴の戦いと呼ばれた福岡-北九州の1時間程度の短距離都市間高速バスにも3列シート車が投入されてラッシュ時は補助席を使用しても積み残しが出ていた。本州ではあり得ないサービスだが、それが九州では当たり前だった。
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