2024年夏の富士急ハイランドはなにができるのか。あるいはリニューアルされるのか。報道関係者向けに公開されたのでレポートする。絶叫には違いないが、今年は背筋が凍る方だ。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■今年はメディアの注目度が高い
報道関係者向けプレスツアーは新宿から貸切バスが用意されて、取材機材を持ち込んでいく行程だが、今年は3台も用意されていた。2台はいつものことだが、3台は初めてだ。
1・2号車が「富士急行観光」仕様のセレガで、3号車だけが違うのでおそらくはメディアの注目が高く申し込み多数だったために急きょ増車されたのだろうと推測する。いずれにしても、かなり多い取材陣となった。
夏の富士急ハイランドプレスツアーはがっつりハイランドだけを取材する目的なので、メディア側もあらかじめ取材計画を立てて、どこを回ろうかと決めている。今回の主な取材対象は3点で、『戦慄迷宮~闇に蠢く病棟~』『NARUTO×BORUTO 富士木ノ葉隠れの里』『トーマスランド』である。
■トラウマの戦慄迷宮
戦慄迷宮は平たく言うとお化け屋敷だ。しかし、そう言ってしまうにはあまりにもクオリティが高すぎて、実際に入った女性記者の話を聞くと「和製ホラー映画の中」なのだそうだ。なぜ女性記者の話を聞かなければならなかったのか。それは記者は入っていないからである。
もう何年も前になるが、戦慄迷宮を取材した記者はあまりの衝撃にトラウマになってしまい、絶対に入りたくない施設になってしまったからである。よって代理に女性記者を立てて入ってもらうという情けない結果になった。
■クオリティの高さが光る
トラウマとはいえ、事前に富士急行の開発者からリニューアルの意図や設計概要を詳しく聞いているにも関わらず嫌なものは嫌なのだ。数年前よりパワーアップしているのは、戦慄迷宮に続く1本道で、すでに離れたところに病院の門柱があり、その足元には…という念の入れようである。
病院に続く道を歩くともうおどろおどろしいBGMが流れている。これは、いけない演出だ。そして病院の入り口前には以前にはなかったものが設置されていた。
■なぜバス停が?
病院前にはなんと「バス停」が置かれていて、病院名である「慈急病院前」停留所になっていた。すでに廃病院という設定なのでバスも廃止されていることになっているが、ダイヤは書かれたままになっており、なぜか平日は23時までバスがある不思議なダイヤになっていた。
よく見ると、判読不能なおかしな文字が書かれていたり、お約束の血のりが付いていていたりと演出も凝っている。ちなみにこのバス停は富士急バスで使われていた本物の廃品を活用したものである。
■標準時間は50分だが…
乗ってしまえば喚こうが叫ぼうが終わるまで乗っておくしかない絶叫マシンとは違い、この類のアトラクションは自分の足で進まないといつまでたっても終わらない。そう、怖がる人ほど足がすくんで終わらないのだ。
中はらせん階段やエレベーターや扉、曲がり角等を組み合わせて方向感覚や上下の感覚が鈍くなるように設計してあるので順路に従って進むしかない。たとえ進むべき道の先に何かが待っていても進むしかないのだ。
最初に見せられる映像が伏線となり、それを歩きながら見たくないものを見ながら回収していくことになる。どうしてもダメな場合はリタイヤ口が設置されているので、そこから逃げ出すことはできる。
あれだけ全員が詳細で現実的な説明を受けた報道陣でさえ、何組かはリタイヤ口から出てきたのを目撃した。心臓の強い方はどうぞ自己責任で入っていただきたい。
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