「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」ではもちろんバスメーカーのブースをハシゴしてきましたよ

■これはポンチョで…いいのか?

コンセプトカーながらポンチョの名を冠する!
コンセプトカーながらポンチョの名を冠する!

 もう1台は「ポンチョドット」である。こちらはコンセプトカーだが、小型バス「ポンチョ」の次世代にあたるバスとされる。見た目はパネルバンのようのようだがそれもそのはずで、小型BEVトラック「日野デュトロZ EV」をベースに開発された。人も物も一緒に運べ、買い物・送迎・物流など、幅広いシーンで活躍することが期待される。

 運転席周りはトラックそのままだ。後部は広いスペースが確保されているほか、超低床なので乗り降りはしやすい。後部に装備されているスロープを使えば車椅子で乗車も可能。座席が10席全てが跳ね上げ式となっている。コンセプトとしては「朝は子供たちを学校へ、そのまま農作物を地域の販売所へ。

基本はトラックからの改造なのでバスとは言い難い?
基本はトラックからの改造なのでバスとは言い難い?

 そして昼は病院へ送迎しつつ、宅配や買い物代行の荷物も運びます。さらに、夕方は子供たちの迎えや習い事送迎に活躍します。このように地域内の複数の輸送を一台にまとめることが出来ます。」となっていて、バス・トラックという区分けをなくして人も物も一緒に運べるという幅広く使える車となっている。

トラックのシャシーを最大限活用した室内
トラックのシャシーを最大限活用した室内

 走行性能は50kWモーターを備えリチウムイオンバッテリーに充電して走行する。WLTCモードによる充電走行距離は150kmとなっていて1日フレキシブルに走行しても大丈夫だろう。コンセプトカーなので発売されるわけではないが地域の中をくまなく走る姿を早く見てみたいものだ。事業者用のバスというよりも自家用の日本版ピックアップトラックの進化系という感じだろうか。

■いすゞ自動車

エルガEV自動運転車
エルガEV自動運転車

 次に向かったのはいすゞ自動車である。前回に引き続きUDトラックスとの共同出展だった。世界初出展となった「エルガEV 自動運転バス」が置かれた。国内初のBEVフルフラット大型路線バス「エルガEV」をベースに、株式会社ティアフォーの自動運転システムの技術を組み合わせて開発したものである。

 カメラ、LiDAR、ミリ波レーダーなど複数のセンサーによる周囲認識と、各コンポーネントを協調させる車両統合制御技術により、安全かつ安定した自動走行を実現しており、近く神奈川県平塚市で行われる自動運転路線バスの実証実験に投入される予定だ。車内は現行モデルのエルガEVと同じだが前輪タイヤハウス上には自動運転機材が載せられている関係で狭く感じた。

後付けしたセンサー類ではないので多少はスタイリッシュに?
後付けしたセンサー類ではないので多少はスタイリッシュに?

 他の部分はフルフラットフロアであり、エルガEVの特長そのままだ。またVR技術を使った「エルガEV 自動運転バス VR体験」を行っていた。VRゴーグルを着けて自動運転バスの安全性能について体験するもので、実際の走りや動きを確認することはできなかったが、各センサーの働きと、安全走行の仕組みが理解できた内容だった。

 実証実験は平塚市で2024年から2度行われており今回で3回目だ。これまでは既存バス路線と同様の走行ルートで「エルガ」(ディーゼル車)を用いて自動運転の実証実験を行っていたが、今回はエルガEV 自動運転バスへの車両変更に加え、夜間の運行、キャッシュレスによる運賃収受も予定されている。

エルガEVは都市部では見るようになってきた
エルガEVは都市部では見るようになってきた

 10月中旬より準備走行を含めた実証実験がスタートしており、2026年1月下旬まで実施される予定だ。期間中は一般の試乗も予定しているようなので、興味のある方は乗車してみてはいかがだろうか。

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