長野県富士見町は町民だけでなく観光客など、利用者登録をした人が誰でも利用できる交通手段として、AI乗合オンデマンド交通「のらざあ」の運行を開始する。「のらざあ」は、電話やアプリで予約すると、AIが予約状況に応じて運行ルートを組み、複数の利用者が乗り合って移動する、バスとタクシーの間のようなサービスだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■運行の背景
本サービス「のらざあ」は、時刻表や固定ルートはなく、富士見町全域に250か所以上の停留所を設けている。また県境を越えて、山梨県北杜市の一部でも運行するのが新しい。
富士見町では、これまでデマンド交通「すずらん号」を運行してきた。一方で、利用者の減少や高齢化、運行日・時間・便数の制約、運転士不足など、地域交通を将来にわたって維持していくうえでの課題が顕在化していた。
そこで同町では、令和5年度から定時定路線バスやデマンド交通の増便などの実証運行を行い、地域の移動ニーズを検証した。その結果、通院や買い物など日常生活を支える交通手段として、予約に応じて運行するデマンド型交通の利便性をさらに高める必要性が明らかになった。
こうした検証と地域公共交通会議等での協議を踏まえて「すずらん号」をより便利で持続可能な移動サービスへと転換したとのことだ。
■富士見町「のらざあ」の特徴
運行エリアは富士見町全域に加え、山梨県北杜市の一部を含む。富士見町と北杜市は県境を接しているが、住民の生活圏や観光客の移動は行政区域だけでは区切られない。これまでの「すずらん号」でも乗り入れていた場所に加え、新たに小淵沢駅や白州塩沢温泉フォッサ・マグナの湯も停留所に加わる。
町内には250か所以上の停留所を設置している。富士見駅や町役場、富士見高原病院などの公共施設・医療機関のほか、スーパーマーケット、観光施設、道の駅、地区公民館など、町民の暮らしや観光に関わるさまざまな場所を結ぶ。
平日8時~8時30分は、町役場、富士見駅、富士見高原病院などの「まちなかエリア」と信濃境駅への予約に対応する「まちなか行き朝便」を設定する。朝に集中する通院・通勤通学の需要に車両を集中させることで、限られた車両数でも地域の移動需要に対応できる。
富士見町にはJR中央本線の富士見駅、すずらんの里駅、信濃境駅の3駅があり、町内には富士見パノラマリゾート、富士見高原リゾート、道の駅信州蔦木宿など、魅力的な観光地を有する。「のらざあ」は、鉄道で富士見町を訪れた後の町内移動や、観光施設間の移動などにも利用できる。町民だけでなく、富士見町を訪れる人の移動手段としても利用できる。
■運行の概要
運行の概要は次の通りだ。運行時刻は0800~1700で、月曜日から土曜日に運転する。日曜日、休日、年末年始は運休する。配車は専用のコールセンターに電話して予約するか、スマホアプリでの予約にも対応している。予約は乗車の1週間前から1時間前まで受け付ける。
気になる運賃は次の通り。3km未満は400円で、3km以上5km未満が600円。5km以上10km未満は800円、10km以上は1,000円だ。なお65歳以上の高齢者、障がいのある方とその介助者(1名まで)と小学生~高校生は半額になる。未就学児は無料だ。
支払方法としては、電話予約の場合は現金のみで、アプリ予約の場合は現金またはクレジットカードでで決済する。対距離制運賃なのは路線バスのようでもあるし、タクシーのようでもある。




コメント
コメントの使い方