■今ではなく先も見据えないと自治体の存続にかかわる
昨今は運転士不足や地域社会の偏りにより少子高齢化が進みコミュニティバスでさえ維持が困難な自治体が多くなっている。車社会になっていて、それが持続するのであれば問題はない。しかし、高齢者が多くなり自身で運転ができなくなり、子や孫や親せきに通院や買い物の送迎を頼むのが難しくなる将来において、地域の交通が確保されなければ自治体の存続にかかわる。
自治体が運営する交通機関は当該自治体内だけで運営するのが当然だった。予算を使うので議会の理解が得られないのも分かる。しかし、同町のように県境をまたいで実際の生活圏で運行経路や停留所を考えないと、結局は行政のエゴ交通機関で終わってしまう。
多くのコミュニティバスが役所や役場がターミナルになっているのが良い例だ。庁舎に行くことも大切だが、役所に行く用事など1か月に何度もない。駅をターミナルにしていれば交通結節点として機能するものを、商業圏でもない役所にしてしまったがために乗り換えを余儀なくされ、不便さが顕著になり乗らなくなり廃止されるという事例は多い。
地域住民が欲する交通機関を完全に満足させることは難しいかもしれない。既存の路線を持つバス事業者との兼ね合いもあるだろうし、新たなターミナルを設けるにも制約があるかもしれない。しかし、そういうときこそ議会が全面的に協力して住民のために声を吸い上げ近隣自治体とも協議して実現させるべきで、税金の使途に関わるのは事実だがそんな縄張り意識を持っている場合ではない状況なのだ。
その点において、同町の現実的な取り組みは評価に値する。少子高齢化で人が住まなくなり、不便が不便を呼ぶ循環では、自治体の存続にかかわる。打つ手がなくなり合併を繰り返しても結局は特大過疎自治体を生むだけで根本的な解決にはならない。
地域交通で困難に直面している自治体はごまんとある。人が住みやすいように、人が来ても困らないように、柔軟で便利な交通機関を模索して将来を見据えていきたいものだ。
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